絶滅危惧種の遠吠えと政治家の倫理感

永田町で“時の人”となった山岡賢次国家公安委員長兼拉致問題担当大臣。
金子賢二→佐藤賢二→藤野賢二→山岡賢次と名前を変えてきたこの人の歴史に、いま「マルチ山岡」という名前が加わった。
ご自身のことを「マルチ人間」と称するくらいだから、さぞかしお喜びだろう。
身から出た錆によって窮地に追い込まれるこの大臣には、マルチ商法疑惑に加えて、論文盗作や元真岡市長への金銭強要など、疑惑も次から次へと枚挙のいとまなく噴出し、火だるま状態である。
辻本清美の「疑惑の総合商社」というセンセーショナルなフレーズは、鈴木宗男ではなく、この山岡賢次に最もふさわしいのではないかとさえ思えてくる。
野田首相はこの大臣を罷免しなければならない。
私なぞ、山岡氏は大臣どころか議員すら辞職すべきと思うが、ご本人にその意思などあろうはずがない。
しかし、ご本人の意思の有無とは関係なく、山岡氏が大臣に居座る限り、野党は必ず氏の首を取りに出る。
自民党の山本一太議員が15日の参院予算委員会において、山岡大臣への問責決議案提出を宣言したが、仮に参議院で同案を通した場合、間違いなく国会が止まる。
前内閣での馬淵、仙谷コンビの問責決議でも分かる通り、問責された閣僚が参加する各種審議を、野党が拒否するからである。
震災からの復旧・復興が喫緊課題であるとする野田内閣の最優先課題が進まなくなる。
そもそも、山岡大臣を含む閣僚の組閣をしたその日に、政治家野田佳彦の理念、信条はどこかに放り出されたのだとしか思えない。
以前からマルチ疑惑を指摘されていた山岡氏の登用など、素人でもわかる自殺行為だったのだ。
一方、この問責に慎重な態度を示す党もある。
社民党だ。
社民党の福島瑞穂氏は、その理由について、「閣僚になった後の問題ではない。閣僚として不適格な事情があるということではないのが弱い」と語ったそうだ。
全く意味不明である。
日本人なら日本語をもっと適切に使っていただきたい。
閣僚になってから問題を起こさなければ、それ以前の疑惑はきれいさっぱり忘れ去られてよいのか?
閣僚として明らかに不適格であるから、適材適所という定義が否定されているのである。
社民党にはそれくらいの倫理観すらないのだろうか?
社民党は絶滅危惧種である。
55年体制の一端を担ったころの存在価値も意義も既になく、議席数も数えるほどで、政党支持率は直近の調査では1%にも満たない。
社民党に見切りをつけた議員の多くは民主党に鞍替えし、参院の社会民主党・護憲連合会派はわずかに4名である。
これでキャスティングボートを握ろうとしているのなら恐れ入るが、政治家の倫理観や矜持をも否定するのであれば、本当に絶滅する日が近い将来に訪れるだろう。
そろそろ党の存在そのものに見切りをつけられたら如何だろうか。
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