日本外交の敗北を見たAPEC

創価学会の池田大作名誉会長が死去したことが発表された。学会創立記念日の昨日18日だが、死去は15日のことだったという。この報に接しての特別な感慨はないのだが、カルト宗教に君臨した絶対的指導者はまさに精神的支柱であり、学会の天皇として扱われたという話を聞いたことがある。池田大作の皇室観はこの言葉に凝縮されている。
仏法から見て、天皇や、天皇制の問題は、特に規定すべきことはない。代々つづいて来た日本の天皇家としての存在を、破壊する必要もないし、だからといって、特別に扱う必要もない。
具体的にいうなら、今日、天皇の存在は、日本民族の幸、不幸にとって、それほど重大な要因ではない。時代は、大きく転換してしまっている
池田大作著「人間革命」に出てくる一節だ。公明党が池田大作に忠誠を誓い、この「池田皇室論」を是とするのであれば、彼らはれいわや社民らと同レベルの政党だということになる。1日にも早く連立政権を離脱してもらいたいと思うのは、私だけではないはずだ。
池田大作は勲章・名誉称号コレクターと言われるほど、海外から様々な勲章や称号を授与されている。民間外交も積極的に行い、特に中共やロシアなどとは独自のパイプを築いていた。信者ではない私のような者にとっては、こういう人物が国を代表したような体で外国要人と話されてもちっとも嬉しくないのだが、その「ちっとも嬉しくない」を体現してくれたのが、APECで米国を訪問している岸田首相だったから、もう目も当てられない。
バイデンとの日米首脳会談は、たった15分だったという。通訳所要時間を引けば実質7分半。首相の発言はその半分の3~4分だろうから、首脳会談と呼ぶにふさわしいかどうかも疑問だ。
日中首脳会談の成果を誇らしげに語っていた首相だが、会談がセッティングされたのは、キンペーの宿舎にあたるホテルだったそうだ。「会いたいならお前の方から訪ねてこい」という意味だ。日中首脳会談への意欲を見せていた岸田氏の前のめりな姿勢は、中共をつけあがらせた。岸田首相としても、日本の水産物に対する政策転換を迫り、不当に拘束されている日本人を取り戻す使命感があったと解釈できるのだが、海産物や法人拘束への対抗措置を何もせずに会談したところで、中共は「NO」といえば済む。中共のように常識や秩序、友好的態度が皆無の相手に「対話」のみで解決しようとする時点で、外交上の成果を出すのは不可能なのだ。
岸田氏は南鮮の尹錫悦との会談に臨む途上で、渋滞で遅刻しそうになり、小走りで会談場所のホテルに駆け付けたそうだ。しかし、この会場も南鮮側の宿泊先だったという。日本の「国際社会をリードするアジアの大国」の面影は完全に失せてしまった。
事前の事務方の調整で、この日中会談で成果が望めないことはわかっていたはずだ。しかし、首相の頭の中には日中会談をやる選択肢以外になかったのだろう。その時点で負けが決定していたのだ。日本外交はどこまで堕ちていくのか。考えるだけで憂鬱である。
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