全方位に恩を売り、政権基盤を盤石化 ~ 希望に程遠い改造内閣

作家の百田尚樹氏が、ジャーナリストの有本香氏とともに立ち上げを宣言した、通称「百田新党」。X(旧Twitter)のフォロワーが20万を超えたらフライングで党名発表すると告知していたが、昨日13日にその数字を達成し、党名が発表された。その名は「日本保守党」、通称「保守党」。単純明快のど真ん中直球で、非常にわかりやすい。
私も22万人超のフォロワーのひとりなのだが、あまり情報を追えていない。しかし、既成政党とは次元が異なる発信力の強さには目を見張る。公式Xのフォロワー数で言えば、立民党の18.8万をあっという間に超えてしまった。自民党は25.2万だが、この短い期間でその巨大政党に肉薄している。あとは政党の理念、基本政策に擁立できる議員の質だ。楽しみに待ちたい。
百田氏が保守新党を結党すると宣言した直接の原因は、自民党がごり押しで成立させたLGBT法であり、安倍元総理の死後、極端に左傾化が進行する自民党へのアンチテーゼだ。LGBT法のみならず、南朝鮮とのなし崩し的外交和解を含む、単に米国に追従するだけの外交、目白押しの増税メニューによる国民負担の増大など、政策的には目を覆うばかりの岸田政権。その岸田首相が13日、内閣改造を行ったが、前日にすべての閣僚名簿が出来上がるほどの情報駄々洩れで、新鮮味のなさに拍車をかけた感がある。
リン外相が任を解かれたのが唯一と言っていいサプライズたが、これも米国から「あいつを変えろ」と言われたからかもしれない。後任の上川陽子氏は、法相時代のオウム死刑囚の刑執行など、腹が座った政治家だが、上川氏は実は親韓派である。中共べったりのリン外相と比較してマシという評価はあろうが、諸手を挙げて歓迎するのはまだ早い。
LGBT法成立の論功行賞は、経済再生担当相のポストで新藤義孝氏にあてがわれたようだ。自民党内で初めて、部会での全会一致を経ずに議員立法提出を行ったのがLGBT法だ。私はこの政治家を、平沼赳夫、中川昭一、安倍晋三と連なる『創生「日本」』のメンバーであことを理由に信頼していたが、あのドタバタ劇で一気にシラけてしまった。もちろん、それを指示していた岸田文雄という政治家が最も悪いが、〝安倍晋三派〟にとってあの「裏切り」は永遠に刻まれる。
内閣や党執行部の人事を見て、そんなこと考えていたとき、山口敬之氏がYouTube番組で披露した、この内閣の人事を吟味する上で最適かつ説得力がある解説を聴いた。詳しくは動画を確認してほしいが、要点はこのようなものだ。
- 今回の人事は、自分の政権基盤を盤石にするために、茂木派と麻生派へ最大限のサービスをした。
- ドリル小渕の選対委員長重用は、森喜朗元首相へのサービス。森氏は、経世会(現茂木派)のドンだった青木幹雄氏と親しく、「なんとか小渕優子を復権させてやって欲しい」と遺言を受けていた。
- 安倍派の後見人である森本首相を抱き込んだことで、安倍派は岸田政権を支える側に回る
- 小渕を重用したことで、茂木派内で茂木・小渕の対立は深まり、茂木派が塊となって岸田政権を倒しに来ることがなくなる
- 萩生田、西村、松野を続投させたのは、彼らを閣内や党三役に置いておくことで、安倍派が塊になって自分を倒しに来ることはないから
- 河野太郎を留任させたのは、秋本逮捕でいまピンチの河野を救うことで、麻生副総裁に恩を売れるから
- 岸田派より大きな三派閥に恩を売ることで、その三派閥を政権を支える側に据えた。中身は自己保身でしかない
- 新藤義孝入閣はLGBT法成立の論功行賞。反対派多数の部会で無理やり一任を取り付けた部会長、森屋宏は官房副長官へ。LGBT法の背後に岸田本人がいた証拠
政権基盤の盤石化は、どんな首相も腐心するもので、この岸田政権に限ったことではない。だが、それだけでは国民の心を動かすことはできない。
結果として、茂木、河野、高市、萩生田ら、一般的に次期首相候補と目される人材を内閣と党の人事で抱え込み、自分に矢を放つ芽を摘んだ岸田。何を成し遂げるかより先に、岸田内閣の長期政権化の目論見しかない。この政権に希望を見出すことは極めて難しい。
百田新党改め、日本保守党への期待が集まる理由がよくわかる岸田内閣の現状だ。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
当ブログはブログランキングに参加しています。ご面倒ですが、是非ともバナークリックをお願いいたします。
バナーが表示されない場合はこちらから。
人気ブログランキング | にほんブログ村 政治ブログ | FC2 ブログランキング