リン外相とともに崩れていく日本外交

岸田翔太郎氏の首相公邸忘年会の写真が流出した件で、岸田首相は翔太郎氏を事実上の更迭処分としたが、今度は岸田首相自身がにこやかに収まった画像が流出したようだ。私はこの類のネタにはあまり興味がないこともあり、1日3億円かかる国会で取り上げるネタではないと主張してきた。その主張は今も変わらないものの、否が応でも、野党にとって格好のスキャンダルネタとしてフル活用されることになる。解散はより遠のくだろう。
このスキャンダルが岸田首相の命取りとなるかは不明だが、早々に国会を閉じて追及の場を与えないよう、国対が動くことになる。岸田政権の延命は御免だが、内閣の中でも最も危機的だと思えるのがリン外相だ。北京が対日政治工作機関として長年活用してきた日中友好議連の会長職を約4年間、担った。警戒した米国当局は、リン外相との会談を持とうとせず、仕舞いには岸田首相自身が米国まで出張っていって、リン外相の訪米の地ならしをするという、前代未聞の光景もあった。
安倍総理の葬儀で、台湾の頼清徳副総統が来日した際も、会見で「ご指摘の人物」と頼副総統に言及し、「失礼だ」「中国へのあからさまな配慮」と批判を受けた。そして台湾有事に関しても、国会では逃げ回っている。以下は、5月31日、衆院外務委員会で、日本維新の和田有一朗委員の質疑を書き起こしたものだ。
和田委員
いっぺん、これはもう聞かなきゃいけないと思ったことがあるんです。それをね、今日お聞きしようと思います。
それは絶えず「最も大切な友人」だとか「パートナー」だとか言いますけれども、じゃあもし台湾を失ったら日本はどうなるんでしょうか、どう思ってらっしゃいますか。台湾とは日本にとって何なんでしょうか。確信的利益とは何なんでしょうか、我々にとっての。
どうお考えになってるかお聞きしたいんです。
リン外相今、委員からご指摘のあったような仮定の状況につきまして、政府としてお答えすることは適切ではなく、差し控えたいと思います。その上で台湾は日本にとって基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人であります。
我が国として台湾に関する基本的立場を踏まえつつ、両岸関係を注視しながら、日台間の協力と交流のさらなる進化を図ってまいりたいと思っております。
和田委員これは我々にとっては生命線ですよ、台湾は。ここは国益が、国益を全く共有するお互いの存在ですよ、これは。もし我々がこの台湾を失うことがあったら日本は立ち行かないと思いますよ民主主義国家として。
「仮定の話には答えない」というのは、政治家が明確な答弁を避ける際によく使うフレーズだが、リン外相は官僚が書いた答弁書を読むだけで、この言葉ですら、自分の言葉でしゃべっていない。内閣の要職にあるときに、思っていることをはっきり答弁できない状況は理解の範囲内だ。だが、リン外相の答弁自体には「他人事感」しか感じられず、中共をやんわりと牽制するような思惑の欠片もない。
和田有一朗氏はかつて「次世代の党」に所属し、尖閣・魚釣島にも上陸した人物だ。そういう背景を考慮すれば、「台湾は生命線」というのは、氏にとっては素直な発言なのだろう。自民党政権も自民党も、安倍総理亡き後、左傾化が止まらない。LGBT法案もそのことを示す顕著な一例であるし、移民対策の緩和等もそのひとつだ。
いずれ選挙はある。和田氏の質疑は別にしても、左傾化を強める自民に対し、保守派に響くような質疑を繰り返すことによって、維新や国民民主などは、自民支持の保守層を、一定程度でも味方につけることができる。要するに、岸田内閣、リン外相が続く限り、保守派は自民党から離れてく可能性が大きい。その危機感を、自民党自身が理解していないと思えてならない。
リン外相で日本の外交は大丈夫か。私には甚だ疑問だ。
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