巨大利権団体としてのNHKの存在を問う

朝日新聞社が22年度の連結決算を発表したが、売上高は前年度比マイナス2.0%の2,670.31億円で、営業利益は赤字だった。単体での決算はさらに厳しく、営業利益と当期純利益は赤字。本業のメディア事業は数年前から赤字だと言い、不動産事業などで帳尻をあわせる経営状況が続く。背に腹は代えられず、直近で2度の大規模な早期退職を実施し、約300名が退職しているが、負のスパイラルは止まらないようだ。
この傾向は朝日新聞に限ったことではなく、守旧メディアは概ね厳しい状況だ。紙のメディアがネットの普及によって淘汰されつつあるのは、101年目で廃刊した週刊朝日を見ても明らかであり、朝日新聞も東海3県での夕刊を、今月から休刊している。テレビ業界もネット配信の波にのまれつつある状態で、各社は動画配信サービスに注力しているが、地上波番組の横流しだけでは厳しいだろう。
そんな中で安泰だと思われるのがNHKである。なにせ放送を見る、見ないにかかわらず、国民に受信料を課せば良いので、営業活動が省けるうえに、一定の収入が自動的に入ってくる。「みなさまのNHK」などと言っている割には、報道には恣意的な角度をつけ、頻繁に国家や国民を貶めようとする傾向があるのは周知のとおりだ。
最早、NHKの存在そのものが利権化していると思うのだが、彼らの貪欲さは枚挙にいとまがない。NHK出身で内部事情をよく知る和田政宗議員のツイートによれば、によれば、NHK会長が国会で、理事報酬が「民間に比べ著しく高い金額ではない」とのたまったという。だが、同協会の理事は全員NHK出身で、多額の退職金を得た後、理事に内部昇格しているそうで、何をかいわんやだ。「濡れ手に粟」を絵にかいたような構造である。
NHK「再発防止を徹底」 BS番組ネット配信巡り基準抵触の恐れ(産経)
NHKがインターネット配信できる番組の範囲を定めた実施基準に抵触する恐れがある予算約9億円を令和5年度予算に盛り込んでいた問題で、NHKは30日、「再発防止を徹底する。意思決定のプロセスなどについて、ガバナンスの在り方を再確認し、改革を行う」とのコメントを発表した。
総務相が認可する「インターネット活用業務実施基準」では、NHKが配信できるのは地上波の総合とEテレなどで、BSを配信する場合は基準の変更が必要。だが、前田晃伸前会長時代にBS番組の将来的な配信に向け、基準を変更しないまま、設備費用を含む約9億円を予算に盛り込んでいた。
NHKは最高意思決定機関の経営委員会と総務省に経緯を報告。松本剛明総務相は30日の閣議後記者会見で「これからも適切に運営してほしい」と要望した。
「これからも適切に運営してほしい」などという生ぬるさで良いとは思えない。この費用の支出の決定は、NHKの理事会ではなく、前田前会長や理事など計9人で稟議書をまわして承認という、ごくごく内輪の意思決定だったという。意図的ではなかったのかと訝る声が出ても不思議ではない。しかもNHKの対応の軽さは信じがたい。
NHKが、放送法と関連法令に違反し、BS番組をネット配信する設備費用9億円をNHK予算に入れていた件。
— 和田 政宗 (@wadamasamune) May 30, 2023
NHKは違法な予算を総務省に提出し、国会承認を受けた。
関係役員全員の辞職は免れないような重大案件。
しかしNHKは言い訳の紙を各議員事務所ポストに入れただけで、国民にも国会議員にもおわび無し pic.twitter.com/9RxLx2WPCW
こうなると、「NHKって必要?」というテーマを本格的に、国民的な議論にするべきだろう。少なくとも、公共の電波という国民の財産を利用し、濡れ手に粟の受信料を税金のように徴収するというシステムは、市場原理と勝負している他のメディアには不公平極まりない。
産経新聞が秀逸な記事を掲載しているが、昨年3月末時点で、NHKの子会社・関連会社計15社の常勤役員90人中、NHKからの出向者は14人、NHK退職者は53人と計67人で、7割を超えるという。関連団体との随意契約の問題も大きく、過去3年間の関連団体との随意契約比率は金額ベースで令和元年度93.5%、2年度が94.5%、3年度が97.8%と右肩上がり。競争を排除した契約で資金を内部で循環させる仕組みが確立されているかのようだ。これこそまさに利権である。
産経は書く。
そもそもメディアが多様化した現代に、受信料で支えるNHKは必要なのか。その問いからNHKは逃れることはできない。
コラボ問題で公金チューチューが話題となり、LGBT法案も利権がらみであることが明らかになったが、NHKはその上を行く国家ぐるみの利権団体だ。存在していることを当たり前と思わず、その存在そのものの意味を問う議論を開始したい。
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