自民党は公明との互助会体質から脱皮せよ

岸田ジュニアの翔太郎氏がまたやらかしたそうだ。政務秘書官を務める翔太郎氏が昨年末、首相公邸に親族らを招き、「忘年会」を開いたという文春オンラインの記事。赤絨毯が敷かれた公邸内の階段で、親族ら約10人が記念撮影をし、その写真が流出。岸田首相は「適切さを欠くものであり、国民の皆さんの不信をかうようなことであるならば、誠に遺憾なことであると思っている。私から本人に対して厳しく注意を行った」と記者団に語り、「緊張感をもって対応してもらいたいと思っている」と、処分は否定した。
いや、「あるならば」ではなく「ある」のだ。公邸に親族を招くこと自体は問題ないと思うが、いかんせん「ユルすぎる」。息子を秘書官に据えること自体、自身の引退後に地盤を譲るための「教育」の一環なのだろうが、教育される側の認識が甘すぎる。岸田氏は性的マイノリティに関する不適切発言を理由に、荒井元首相秘書官を「言語道断」と言ってクビにしたが、翔太郎氏を切らないというなら示しがつかない。岸田首相自身も極めてユルい。
そもそも、身内を要職に就けるということ自体が疑問だ。安倍元総理は身内であるというだけの理由で、実弟の岸信夫氏を要職に就けなかったという。岸氏の初入閣は2020年の菅内閣だ。参院初当選の2004年から16年が経過し手の初入閣。翔太郎氏は政治家ではないものの、安倍元総理とのコントラストは鮮明だ。
さて、解散風が吹く政局だが、ここにきて自民党と公明党が揉めている。公明党が昨日25日、次の衆議院選挙では、東京選挙区で自民党の候補者に推薦を出さない方針を決めた。練馬区に新設される「東京28区」で、候補者を立てようとした公明に自民が反発。公明は結局、候補者擁立を断念する一方、返す刀で東京の選挙区で自民党の候補者に推薦を出さないと宣言した。公明幹事長の石井は「東京における自公の信頼関係は地に落ちた」と語気強く自民を批判したが、「それって東京に限ったことか?」と逆に問いたくなる。候補者調整で失墜した信頼が、東京に限定されるとは思えない。
20年続く自公連立政権に飽き飽きしている保守派にとって、自公の亀裂は、むしろ歓迎したいくらいだ。このまま連立解消にまで行ってもらいたいものだし、現にそれを期待する声はネットに溢れているが、そんな簡単な問題ではないだろう。自民党は公明の組織票にどっぷり依存している。公明党が敵として定義した自民党議員が選挙で苦戦するのは、一昨年の衆院選における大阪の長尾敬氏を見ればわかる。あの選挙では、長尾氏の当選を阻むために、学会が維新の候補に組織票を回したと言われる。そういう妨害工作がすべての選挙区で行われるわけではないが、選挙に強くない議員にとって、学会票は生命線だ。
公明党が自民党政権に寄生する政党だ。彼らが政権与党にいるからこそ、いまの公明党がある。政権から外れてしまえば、単なる宗教系野党になり、存在感はゼロだ。だからケンカしているように見せかけて、「信頼は地に落ちた」と言いつつ、それを「東京における」と限定する。要するに政権離脱など、ハナから考えていないのだ。
だから、いまの自公連立政権は、互助会のようなものだと思う。ただ、国民としては憲法改正を期待するし、それを公明が阻止するようなら、彼らは邪魔者でしかない。私は自民党支持者ではないが、憲法改正を実現するなら、自民党にしっかりしてもらわねば困るし、公明に対する過度な配慮はしてもらいたくない。結局のところ、公明党に退いてもらうには、自民党が自力で戦うことを決断しつつ、維新や国民民主、参政党といった「よりまともな野党」の成長も不可欠だ。
公明に三行半を食らい、結果として自民党が折れるようなことがあれば、自民党はもっと票を減らす。そんなことくらい、わかっているとは思うが…。
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