サミットの外交力を評価? 少なくともLGBT法案は外交上の大失策だ

G7広島サミットが終了し、岸田首相の外交面での評価が上がっているようだ。だが、参加国が議長国に花を持たせるG7のような国際イベントを除くとどうだろうか。例えば南朝鮮との関係改善を評価する向きもあるが、一方で保守派はそれを心良く思っていない。別に南朝鮮に対する好き、嫌いの話ではなく、あまりに譲る部分が多すぎるのだ。条約に等しい慰安婦合意は事実上破棄されたままだし、レーダー照射事件は有耶無耶になった。いわゆる徴用工裁判については、振り上げた拳のおろし方は南鮮が考えればいいだけで、日本は関係ない。総じて、日本の国家の尊厳というものが蔑ろにされている感覚を持つのだ。
そして、岸田首相に対する最大の批判は、「隷属」ともいうべき対米外交だ。岸田氏は過分に米国を恐れる傾向にあるのかもしれない。昨年、岸田は佐渡金山のユネスコ推薦に際し、南鮮の反発とは別に、米国の反応を相当懸念していたという。そこで岸田は安倍元総理に相談した。安倍総理の反応は推して知るべしだが、推薦を強く支持したといい、岸田が推薦の政府方針を決定した際、「岸田文雄首相の判断を支持する」とコメントを発している。
そしていま、保守派から稀代の悪法と称されるLGBT法案に関しては、岸田は米国に完全に膝を屈した格好だ。荒井元首相秘書官の発言問題は計算外だったろうが、直後に秘書官更迭と法案推進の指示を出し、米国大使兼活動家ともいうべきラーム・エマニュエルのあからさまな内政干渉にも物言えず、法案は国会に提出されてしまった。
あの自民党の「内閣第一部会・性的マイノリティに関する特命委合同会議」における強引な「一任取り付け」は、多くの自民党議員が指摘する通り、自民党の慣例にはない。慣例にないということは、首相または党のトップからの指示があったとみるべきで、保守派で安倍総理に近いと言われた古屋圭司氏、新藤義孝氏、そして政調会長の萩生田公一氏ばかりが矢面に立ち、保守派の批判を浴びている。この法案に関し、3人の議員らを擁護する気はさらさらないが、岸田は「議員立法であり、国会審議前に政府の立場で何か言うことは控えなければならない」と他人事のように言って、逃げている。
アメリカ大使館に呼ばれ、何も言えず、ニコニコ写真におさまって、エマニュエルに利用されているだけの自民党議員も情けないが、稲田がいみじくも言ったように、これは「総理・総裁案件」であり、首相自らが説明すべき案件だ。米国の圧力でこれを進めようとするなら、「外交の岸田」など片腹痛い。古屋、新藤、萩生田らに泥をかぶらせておいて、首相自身が沈黙でやり過ごそうとするなら、保守派の批判はさらに激化する。
全党一致が原則の議員立法は、自公案に立民が対案をぶつけ、維新や国民民主が別の案を模索するカオス。早期解散で法案が流れればよいとの意見も散見されるが、今国会で流れても、次の国会で再提出されるゾンビ法案のようになれば、混乱は続く。自民党は出直すべきだ。有権者、とりわけ「岩盤支持層」を甘く見てはならない。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
当ブログはブログランキングに参加しています。ご面倒ですが、是非ともバナークリックをお願いいたします。
バナーが表示されない場合はこちらから。
人気ブログランキング | にほんブログ村 政治ブログ | FC2 ブログランキング