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    民主集中制で異論を排除する日本共産党に、民主主義を語る資格なし

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     共産党員が在任期間が20年以上にわたる志位委員長に疑問を突きつけ、「党首公選」を求めて異例の執行部批判を行ったことは19日のエントリーで触れたとおりだ。23日に記者会見に応じた志位和夫にこの件で質問が飛んだが、政権批判だけは威勢のいい共産党志位の歯切れが悪いグダグダ会見を、産経が報じている。以下がやり取りだ。

     --先日、現役党員が党首公選制を求めて記者会見を開いた

     「この問題については先日、赤旗に藤田編集局次長の論説が出ている。そこで述べられている通りだ」

     --その記事には、規約に違反するというふうに書いてあったが、処分する考えはあるか

     「今、言えることは、あの論説に尽きている」

     --その論説に委員長自身も同意しているという理解でいいか

     「これはあの、赤旗にお任せして、書いていただいたということだ。赤旗を信頼して、任せたという内容だ」

     --現役党員の会見での主張だと、党首公選制を求めることについて、規約では分派・派閥をつくることにつながるとされているが、そういったことにはならないと言っている。もっと党員を信頼したらどうかという話もしていた

     「何度も言うが、藤田論説に尽きている」

     --赤旗を信頼しているということだが、今、共産として党勢回復、党員を増やそうとしている中、この記事に書かれた主張の内容が多くの共感を得ると考えるか

     「記事に書かれた主張とはどういうことか?」

     --(松竹氏の見解は)規約違反だという認識を示しているが、そうした見方が党勢回復に与える影響をどのように考えるか

     「私としては藤田さんの論説、的確な内容だと考えている」

     --党首公選制の問題提起は国民や党員からもかなり関心を集めていて、委員長自身の説明、見解を聞きたい方もいると思う

     「あの、この問題についての、わが党の見解は一昨日の論説に尽きている。論点はあそこに提示した通りだ」

    志位和夫


     何の回答にもなっていない。こんなグダグダ感は、国会内外で政権を居丈高に批判する志位和夫からは考えられない。要するにノーコメントを通し、質問が深いところまで及ぶのを避けたのだろう。

     志位が指した藤田論説とは、1月21日に赤旗に掲載された「規約と綱領からの逸脱は明らか ――松竹伸幸氏の一連の言動について」という、赤旗編集局次長の藤田健による論説記事だ。端的に言えば、「そのような意見があるなら党中央委員会をはじめとする執行部に言え。勝手に外で言うな」ということと、党首公選制は「党内に派閥・分派はつくらない」という民主集中制を明記した党規約に反するというものだ。論説の半分以上は、日米安保に関する批判者の考え方を否定するために割いており、「党首公選」は論説の半分弱だ。だが、この論説に共産党の正体を見る思いがする。

     日本共産党の党規約を改めて確認してみよう。志位や藤田が言及したのは下記の部分だ。

     第三条 党は、党員の自発的な意思によって結ばれた自由な結社であり、民主集中制を組織の原則とする。その基本は、つぎのとおりである。
     (一) 党の意思決定は、民主的な議論をつくし、最終的には多数決で決める。
     (二) 決定されたことは、みんなでその実行にあたる。行動の統一は、国民にたいする公党としての責任である。
     (三) すべての指導機関は、選挙によってつくられる。
     (四) 党内に派閥・分派はつくらない。
     (五) 意見がちがうことによって、組織的な排除をおこなってはならない。


     そもそも、民主集中制というのは、組織構成員(党員)が、中央執行部・指導部が決定したことに無条件に従うことを意味する。だから、民主集中制と具体的項目は両立しないのだ。指導機関をつくる選挙をやっていないし、民主的な議論をつくすこともしていない。仮に議論があったとしても、行われるのは密室でであり、詳細は明らかにされない。「党員の自発的な意思によって結ばれた自由な結社」が聞いてあきれる。

     第五条は党員の義務と権利を規定しているが、こんな内容もある。

     (二) 党の統一と団結に努力し、党に敵対する行為はおこなわない。
     (五) 党の諸決定を自覚的に実行する。決定に同意できない場合は、自分の意見を保留することができる。その場合も、その決定を実行する。党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない。


     つまり、「意見するなら直接言え」「勝手に外部にしゃべるな」ということなのだが、20年以上続く硬直化した執行部体制に何を言っても撥ねつけられるのがオチだろう。揉み消されることを前提に「直接言え」という要求に従うことは、意見はなかったことと同じなのだ。

     改めて日本共産党規約を読んでみたが、この党の異常さがよくわかる内容だ。この規約を理解して入党する者は、私のような者にとっては新興宗教に入信するようなものとしか思えず、とても理解できるものではない。

     日本共産党の内部には民主主義がないのだ。そんな政党が民主主義を語ることなど片腹痛く、先ずは党内で民主主義をやってみろというしかない。


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    6 Comments

    今國 護

    それでも支持者が2、30万?くらいいるのが不思議。
    やはりカルトは、一味違うのか。

    敷島やまと

    独裁を民主集中制と言い換える愚

    北朝鮮が朝鮮民主主義人民共和国と名乗ってるのにさも似たり。

    • 2023/01/25 (Wed) 10:55
    • REPLY

    (名前空欄)

    テロリストはさっさと潰すべき

    • 2023/01/25 (Wed) 19:18
    • REPLY

    ボンちゃん

    党首が選挙の敗北に責任を取らずそのまま続行するのは独裁に他ならない。同党に所属している議員は馬鹿ばかりなのだろうか? 現実世界で共産党が成功している国は無い。理想と現実の区別が付かない者を阿呆と呼ぶ。

    • 2023/01/25 (Wed) 20:50
    • REPLY

    レッドバロン

    共産党はプロレタリア独裁という言葉を封印して、今はプロレタリア執政と言い換えているらしい。共産党特有の言葉遊びに過ぎず、その独裁志向は変わっておりません。共産党がどのような言葉を使おうと、共産主義者が行政権と連結することだけは、ありとあらゆる方法を用いて絶対に阻止しなければなりません。

    林達夫が戦後の早い時期に「共産主義的人間」を標した頃から、共産党のスターリニズム的側面に変化がないことを、今回の志位発言はいみじくも裏づけております。

    • 2023/01/26 (Thu) 01:15
    • REPLY

    とらこ

    こう言っちゃあオシマイかもしれませんが、「共産党たあそんなもんでしょ」と、ご近所の中露を見ても思います。

    「中露の共産主義は本物ではない」とする日本共産党だそうですが、していることは彼等「先人」に異ならないと思います。
    コレが今の世だから”派閥仲間割れの原因阻止のため”如くに言うのでしょうが、行きつくところは異論を認めず、分派なんぞしようものなら悲惨な運命、という事ではないかしら。
    いつか実際に来た道です。

    • 2023/01/27 (Fri) 01:17
    • REPLY

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