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    2022年の喪失と、2015年4月の“魂”のスピーチ

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     またひとつ、寂しいニュースが報じられた。安倍総理の地元、山口県下関市と長門市の事務所が、28日に閉鎖された。下関市の事務所には昭恵夫人も訪れ、入り口に掛けられていた「あべ晋三事務所」と書かれた看板を下ろした。後援会幹部は記者団に、「安倍イズムをしっかりと受け継いでいただける方に後事を託している」と述べたが、後継候補とされる吉田真次・下関市議の重圧も相当なものだろうとお察しする。

    「あべ晋三事務所」閉鎖


     一昨日のラジオ番組「飯田浩司のOK! Cozy up!」に、安倍総理のスピーチライターを長く務めた谷口智彦氏がゲスト出演していた。

     あの一報を聞いて以来、全く違う世界に彷徨い込んでしまったみたいな気が未だに拭えずにおります。
    どこかで安倍さんが生きて、日本の進路を、揺るがないら羅針盤として示してくれている世の中があるはずなのに、自分だけがよく似ているけれども、なんだか違うパラレルワールドに入り込んでしまった。そんな感じです。


     谷口氏は、安倍総理の存在を「不世出」と表現したうえで、話は2015年の米国議会上下両院合同会議における安倍総理の演説に移る。

     スピーチの作成は特別でして、外務省がほったらかしにしてくれたこともあって、安倍さんが本当に熱情を込めて打ち込みたいと思っていたものでしたので、余計なチャチャは外務省がいれないと思ってくれたようなんです。
     その頃までにはようやく外務省も、自分が見ているこの総理大臣というのは、おそらく明治以外日本が生んだ最強最高の外交官なんだってことがようやく納得できていたんだと思います。


     また、どういうところを一番苦心、腐心されたのかという質問に対し、谷口氏はこう答えている。

     これは結果的に安倍総理のご意向に沿ったものを作った後で、迂闊にも自分でようやく気がついたくらいの自分の頭の回転の悪さだったんですが、あの「希望の同盟」という言葉を使うように非常に安倍さんおっしゃったんですね。
     「希望の同盟」なんですから、過去の同盟ではなくて、未来に向いた同盟なんですね。
     あのスピーチが終わった瞬間に、日米同盟という、いわば冷戦の雨露を凌ぐ傘だったものが、これから先10年、20年、30年、いや40年、50年と、日本とアジアとインド太平洋を守っていく、非常に大きな屋根をかけるそういう仕事になったんだと思います。
     ですからスピーチ1本で日米同盟の意義、意味を、安倍さんは未来に向けてグーッと変えることができた、そういうものだったと思います。


    安倍晋三「希望の同盟」


     谷口氏は、飯田アナの「言葉の力みたいなものが、歴史を変えることがあるんですね」という問いに対し、こう語った。

     まざまざとそれを見て、私は本当にあの瞬間、この場で悶絶死してもいいと思った記憶があります。

     これは安倍さんの必死のスピーチなんですね。もう本当に必死にやってるってことが全員にわかりました。ですから安倍さんの英語が上手下手云々はもう関係ないですね。
     安倍さんが必死にやっていることで、みんな打たれたんです。よく聞いてると、本当に第二次世界大戦の太平洋の激しい戦いに対する真摯な思いというものを述べていて、それが分かった瞬間、多くの議員が泣いちゃったんですね。で、終わるや否や、配られていたテキストを持って、掴んで、安倍さんのところにわーっと寄ってきて、「サイン、サイン」と言ってアメリカの議員たちが安倍総理にサインをねだるんですね。
     何がそれをもたらしたかっていうと、言葉の力といえばそれまでなんですが、安倍総理の熱意に満ちた話しぶりだっただろうと思います。
     言葉に魂が乗っていたんだと思います。


     魂の言葉で日米同盟を不動のものに深化させ、米国議員の心、そして国際社会の政治にかかわる者の心を動かした歴代最長政権を誇った政治家、そして「明治以外日本が生んだ最強最高の外交官」は、もうこの世にいない。産経新聞の特集記事「政治回顧2022」には、日本の外交責任者の、「台湾有事が発生したり、中国がやばいってなったりしたら、安倍さんが再登板してくれるという安心感で向こう10年間は大丈夫という感覚だった」と振り返ることばが紹介されている。この外交責任者の言うように、私たちはきっと、安倍総理に頼り過ぎたのだろう。

     安倍総理の死去以降の日本の政治の急激な劣化は、目を覆うものがある。安倍晋三という政治家に匹敵する人材がいないのは当然といえば当然だが、一人でも多くの政治家が安倍総理を範とし、「安倍イズム」を継承してもらいたいと心から思う。


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    6 Comments

    波那

    パラレルワールド

    哀しみが癒えることも、寂寥の想いが消えることも、もうないです。

    ≫なんだか違うパラレルワールドに入り込んでしまった。と言われて、あ〜そうなんだとハッとしました。安倍さんが居た日本はまだ続いているけれど、別のパラレルワールドに入り込んでしまったからなんだって。だからなんだ、安倍さんが居ない日本はこんな事にされてしまうんだと、まざまざと見せられているだけなんだって。安倍さんがまだ居るパラレルワールドを思い、慰めに生きて行きます。

    • 2022/12/29 (Thu) 08:24
    • REPLY

    今國 護

    巷で、よく「議員」を「政治家」と呼ぶ人が多いですが
    今時「政治家」なんて、殆ど見当たらない。
    単なる「議員職」という「職業議員」ばかり。
    本当に「政治家」と呼べるのは
    安倍元総理しか居ないのではないか、と。
    しかも、あのプーチンをして「プロの政治家」と
    言わしめるほどなのだから。

    ピー

    安倍晋三さん!

    谷口智彦氏のお話を目にすることが出来て良かったです。
    泣けてきました。嬉しいでした。何とも言えない喪失感を改めて感じました。この先の日本はどうなりましょうかと憂える思いも一杯です。

    • 2022/12/29 (Thu) 11:18
    • REPLY

    国際派

    安倍イズムをささえる価値観と文化

    ずいぶん前のスピーチで細部の記憶はうすれてきたが、アメリカ人の魂をゆすぶるような歴史的演説であったという印象は強く残っている。戦後、破れた日本の復興にアメリカは武士のなさけで助けてくれた。アメリカが送ってくれた小学校の給食の粉ミルクを飲んで日本人は大きくなった。それから日本は産業を育成し、いまやアメリカに進出して、アメリカの雇用の大きな部分を支えるような経済大国になった。アメリカの雇用創出に貢献した点ではイギリスに次いで2番目の外国となった。今後は両国が手をたずさえて、自由で開かれたインド太平洋の安全と繁栄に貢献していきましょう、というような大筋であったと記憶している。これはアメリカンドリームの理想をそのままいく話であり、だからこそアメリカ人の胸をうったのではないか。貧乏な若者が苦労しながら夢をいだき、決してあきらめず、ひたすら頑張って大金持ちになり、そのあとは社会事業で困った人や社会的弱者を助け、若者を育ててゆくことに余生をすごす。これがアメリカンドリームであるが、最近はウオークやキャンセルカルチャーなどと言って文化的腐敗に苦しんでいるアメリカ人にとって、安倍さんは伝統的価値観を共有するヒーローに見えたのではないだろうか。つまるところ、日米は戦後の文化を共有し、育ててきた世界の文化的なリーダーである。スーパーマンと鉄腕アトム、キングコングとゴジラ、007と隠密剣士、スパイ大作戦とキーハンター、ほぼ同時期に花開いた日米の戦後映像文化のヒーローが、世界の戦後の大衆文化のひながたになっていった。安倍世代のつぶやき。

    • 2022/12/29 (Thu) 13:37
    • REPLY

    HAKASE(jnkt32)

    安倍元総理は「言葉の力」を知っていた

    お疲れ様です。谷口智彦さんのお言葉にもある「安倍元総理の、
    米国連邦議会議員の心を打つ」言葉の力は本物だったのではない
    かと思います。

    我国側の事共を、どれだけ米側に分かる様表現し伝えるかに心を
    砕かれていたと愚考します。改めての弔意と、事務所閉鎖は残念
    でありますが「安倍イズム」の価値は不変と心得ます。

    正しい意味で、言葉の力をご存じだった 安倍元総理の思考姿勢
    が 有力な後継に恵まれる事を祈念致す次第。恐れながら前回貴
    記事を拙リンク致したく、お届出の次第であります。

    • 2022/12/29 (Thu) 14:21
    • REPLY

    とらこ

    谷口智彦氏が折に触れて書かれたり話される安倍さんに関する内容の、一番多いのがその両院米国議会でのスピーチだと思います。
    当方目にするたびに涙を誘われ、多分谷口氏も発信の都度心に涙する思いで居られると感じます。

    米国議会での感動のスピーチ以前はまだまだ米国でも「歴史修正主義者」と安倍さんへの不当なレッテル貼りが為されていて、本当の安倍晋三評価はされていなかった感がありました。
    その一本の渾身のスピーチと、硫黄島で相戦った軍人と縁故者を招待する念の入った誠意表現は、敵味方無く心に響いたのだろうと思います。

    安倍さんは「連盟とは双務であるべきもの」と仰り、そうであるべき日本の再建に努められたと思います。それが世界の秩序回復にも貢献しつつあったところ、志半ばで命を奪われ、国民が気がついたのがその御存在と業績価値の大きさ、では無いでしょうか。
    特に保守陣が「安倍政治の継承」とは言いながら、才無く、未だ歩き出せないでいるのは、その証明だと思います。

    今朝の産経紙「正論」に、「100年の人 安倍晋三元首相」と題する安倍論をジェイソン・モーガン麗澤大学准教授の稿が掲載されています。
    <彼は21世紀の最も重要な人で、彼を「100年の人」にノミネートしたいと考えている。
    それは、起きた戦争への対応ではなく、まだ勃発していない、未来の戦争に備える意義が大きな理由だ。
    (中略)
    戦争が来ることさえ信じてくれない平和ボケの国民の目を覚まして、「ファシスト」「軍国主義者」「歴史修正主義者」などのレッテルを貼られても覚悟を以て国を強くし守るという大義を果たそうとした安倍氏は、地政学的なビジョナリー(先見性ある人)であったし、戦略の才を評価せざるを得ない。
    複雑な世界の動きを解読して未来の瀬戸際に備えて万全な準備をすることは、ステーツマン、偉大なる為政者そのものだ。>
    ・・・全面賛同です。


    安倍さん亡き後の「日本の政治の急激な劣化」は劣化ではなく、日本政界は”元の木阿弥”だと思っております。
    「不世出」安倍晋三さんが突出した日本政治の宝だったのだと。
    ですが、彼が示してくださった政治の手法や思考の根幹に良く学んだ人が居ない訳は無かろう、と薄くではありますが期待したいです。

    • 2022/12/29 (Thu) 16:51
    • REPLY

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