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    米国の検閲と日本のマスメディア ~ メディアは自ら腐敗の道を選んだ

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    米国による戦争の歴史は、即ち検閲の歴史と言っても過言ではない。
    そのことを証明するエピソードがある。

    1980年の春、米国ワシントンのウィルソン・センターで、ベトナム戦争を振り返るシンポジウムというのが開かれた。
    その際、米国元国務長官のディーン・ラスクが、このように語っている。

    私はこの戦争は失敗だったと思っている。そのことについては御異存はないでしょう。
    何故失敗だったかといえば、合衆国政府はベトナム戦争では一度も検閲しなかったから。過ぐる第二次大戦においてはまことに酷烈なる(ストリンジエント)検閲を実施して戦争に勝ち抜いたのに、ベトナム戦争では検閲すらきちんとやらなかった。したがって我々は銃後の国民の支援を得ることができなかった。
    考えてもみたまえ。自分の息子や恋人や夫がベトコンに惨殺されていく画面を毎日見ている国民が、この戦争を続けましょうという政府の呼びかけに積極的に応じるわけがない。ああした報道の下では、どんな政府でも、戦闘を続行し勝つことなど不可能だ。


    これが「自由と民主主義」原理主義国家、アメリカの実態である。
    このラスクの言葉を参考にしたわけではないだろうが、その後の湾岸戦争では徹底的な検閲を実施し、米国・イラク両サイドの戦死者の数を曖昧にし、湾岸戦争を戦死者の姿が見えないきれいな戦争へと作り上げる。

    米国の検閲は、何も米国内に限ったものではない。
    太平洋戦争勃発直後、ルーズベルトは合衆国検閲局なるものを設立し、その長官に当時AP通信の専務取締役だったバイロン・プライスという人物を起用した。
    プライスは日本での検閲の必要性を繰り返しルーズベルト大統領に訴え、終戦前の1945年4月に、日本占領後の検閲計画を起草する。
    その後、日本占領下において検閲の実行部隊を担うのが、CCDという隠蔽組織である。

    ところが米国は進駐後、日本のマスコミの状況に驚いた。
    空爆したはずのNHKのラジオ網はしっかり維持されており、朝日、毎日、読売等の新聞は、噛み不足でページ数こそ少ないが、きちんと発行されている。
    そこで米国は、検閲計画改訂によって「新聞映画放送部」というセクションを設置し、マスコミ検閲に取り掛かる。

    GHQはマスコミに規制を強いるが、同盟通信社(後の共同と時事)は海外に拠点を持っており、その拠点から何の制限もなくニュースを流せる。
    この事象を深刻に見たGHQは、有無を言わさず同盟通信社に24時間業務停止を指示する。そして同盟通信社に米将校を常駐させ、海外への放送電波を禁止、海外支局との連絡禁止、業務をすべて国内に限定するという条件を突き付ける。

    次いで、朝日新聞が48時間の発行停止を受ける。
    朝日は進駐軍の婦女暴行、家屋侵入、略奪などが頻発する事実を報じていた。GHQはこれら報道を禁止し、代わりに「開戦直後、日本軍が”バターン死の行進”の残虐行為を行った」という記事を、朝日、毎日、読売、地方新聞に至るまで、計60紙ぐらいに報道させた。
    現在の朝日の状況からは想像できないが、朝日はまだ当時、骨があった。
    このGHQによる宣伝記事を「おかしい!」と断じ、米国の所業を隠すために渡したニュースだと記事にした。
    朝日の48時間業務停止は、この直後のことである。

    続いて、英字新聞のニッポン・タイムズ(後のジャパン・タイムズ)に対し、24時間の発行停止処分を下す。
    さらに、石橋湛山を主幹とする東洋経済新報の押収を命ずる。この雑誌が掲載した「アメリカを見損なった。アメリカは紳士の軍隊であるから暴行略奪などは一切しないだろうと思っていたら頻発している。憤慨に堪えない」という記事に激怒し、すべて回収して断裁した。

    自分たちの占領政策に好ましくない記事が出続けるという事態を重く見た米国は、そのご新聞の事前検閲を実施する。日本のメディアが完全に検閲下に置かれ、情報操作され始めたわけである。

    事前検閲とは、現行を占領軍に提出して通るかと売らないかを見てもらうシステムである。占領軍が占領政策上まずいと判断しかねないようなこと書いても、それは新聞社の勝手である。ボツになるだけの話だ。
    だたし、戦前戦中に日本の内務省や情報局が行った検閲は、不許可の部分をすべて伏字にしたものだったが、ポツダム宣言の第十条に「言論の自由を保障する」と書いてある手前、米国は検閲そのものを隠蔽する必要があった。検閲が行われた痕跡が残るとまずいわけだ。

    事前検閲でボツになった記事があるときのために、米国は埋め合わせを用意してあった。
    昭和20年、検閲が始って間もないころ、米国では新型の電気洗濯機が発売された。それが日本の新聞に、写真付きで大々的に報じられる。
    紙面には伏字があってはならない。常に完全に自由な報道が流されている体裁を繕わなければならない。洗濯機の記事は、そのための埋め合わせコンテンツだったわけだ。


    このようなストーリーのもと、日本のメディアはGHQによって、完全に骨抜きにされた。
    検閲は、日本国が戦前戦中に行ったものは一般的に知られるが、米国・GHQが占領下に日本で行った検閲に対する報道や教育は、ほとんど見られない。
    江藤淳が1989年に発表した『閉された言語空間』で言及され、明るみに出たが、メディアはほとんどこのことを記事にしないし、言及すらしない。

    何故だろうか。

    米国による新聞の事前検閲が廃止されたのは、1948年7月末である。
    その時点で自由を得た新聞や言論メディアは、立ち直るチャンスを得たわけである。
    しかし彼らは、立ち直るどころか、いまだに自虐報道を続けている。
    米による検閲が終了した後も、自己検閲を敷き、反日報道が日々垂れ流されている。
    メディアは、自己回復を放棄した。
    その自己回復の権利を放棄したことが明るみになると、彼らにとってまずいわけだ。
    彼らメディアはこの瞬間から、自ら腐敗の道を選択したと、強く思う。
    GHQによって保守系の政治家や教育者などが公職を追放され、要所要所に左翼系の人物が配置されたことも大きな要因に思える。
    戦後体制がその状況下で確立され、メディアがその大勢におもねることを是としたとも言える。
    これらのことを勘案すると、支那や北朝鮮、エジプトと比べて、日本は言論の自由があると、果たして100%確信を持って言えるのかという疑問すらわく。

    現在、何を信じるかは、個々人の情報リテラシーに委ねられている。
    情報リテラシーは、検閲等に代表される過去の経緯を知ることによって、より研ぎ澄まされる。
    だからこの検閲の事実とメディアの変遷を知ることが、すべての日本人に必要だと思うのである。

    参考文献:「1946年憲法」廃止私案/江藤淳著:日本よ、何処へ行くのか


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    1 Comments

    やす

    戦後体制の検証こそメディアのタブー

    メディアにとっての最大のタブーは戦後体制の検証です。
    憲法論議が始まればこれを回避できません。
    だからメディアは憲法論議すら消極的なのです。
    メディアはGHQに巧妙な詐術を指導されました。
    たくさんの事実の中に、嘘を忍び込ませるテクニックです。
    例えば日韓併合。日本がインフラを整備し、近代化を推進した事実を紹介してから、
    単なる暴動を「抗日運動」に仕立て上げます。
    そしてデタラメな反日キムチの証言を垂れ流します。
    形の上では双方の意見を取り上げ、さまざまな角度で併合の「実態」を示します。
    しかし、デタラメでも生の証言のほうがナレーションより強い印象を与えます。
    情弱の視聴者が見れば、「やはり日本は朝鮮半島でいけないことをした」と感じるように仕向けるのです。

     旧日本軍の兵士の証言にしても、中帰連のことや支那の捕虜管理所で実際に暴力的な洗脳が行われていたことについてはほとんど触れません。触れたとしても共産党の理念などをサラリと紹介するだけです。そして共産思想を平和主義と混同させ、格差をなくした理想社会として中共が存在し、目覚ましい発展を遂げていると洗脳します。

    戦後、メディアがGHQ民間情報教育局の徹底した検閲を受けていたことを詳らかにするのは、つじつま合わせのため、今も当時と同じコードで偏向報道している事実を認めることになります。検閲を受けなくなっても、経営が弱体化したこともあって嘘を繰り返してきた事実を明らかにできないのです。もはや「嘘」を通り越して「方便としての事実」になってしまっているのかもしれません。見せ掛けの「平和」に必要な「嘘」、つまり「方便」なのです。
    コイツらの「ジャーナリズム」は偽装です。
    もはや「方便」という嘘にまみれたプロパガンダ機関なのです。

    • 2011/02/14 (Mon) 17:40
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