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    評価できる「防衛費の対GDP比2%」と、評価できない「方法論」と「財源論」

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     ゼロコロナ政策が続く中共では、ストレスを溜めた人民によるデモが各地で起きているという。こういう映像が海外に流出していることなどから、中共当局によるガス抜きかと思っていたが、そういうわけでもないようだ。中共のデモといえば官製ものが多いというが、いま起きているものは性質が異なるという識者もいる。この手のデモが拡大し、取り返しがつかない状況になる可能性が生じれば、中共当局は手段を択ばぬ弾圧に出るだろう。今後の動向に注目だ。

     さて、その中共が「核心的利益の核心」という台湾問題について、昨日の衆院予算委で立民党の末松義規が岸田首相に対し、「台湾独立を支持しないと言え」と迫ったそうだ。


     立民党は、国の外交を縛って何をしたいのか。日本の外交上の立場は「中共の立場は理解し、尊重する」が、「主張そのものを認めたものではない」というものだ。「日本は台湾独立を支持しない」と言い切ってしまうと、1972年の「日中共同声明」の精神そのものを否定することになる。それを政府に強いる末松のような議員は「中共の代弁者」と定義しても差し支えないだろう。

     その中共を真っ先に念頭に置かなければいけないのが防衛予算であり、その防衛予算は岸田内閣の試金石である。岸田首相が防衛費を、令和9年度に対GDP比2%に増額するよう指示したという。
     

    【速報】岸田総理「2027年度に防衛費をGDPの2%に」 財務・防衛大臣に指示 (ANN)

    防衛力の抜本的な強化を巡り、岸田総理大臣は鈴木財務大臣と浜田防衛大臣を官邸に呼び、2027年度に安全保障関連費をGDP(国内総生産)比2%にするよう指示しました。

     浜田防衛大臣:「令和9年度において、防衛費とそれを補完する取り組みを合わせ、現在のGDPの2%に達するよう予算措置を講じる」

     また、岸田総理は「防衛力は将来にわたり維持強化する必要があり、安定的に支える財源措置は不可欠だ」と述べ、他の予算の歳出削減に加えて増税も念頭に財源の確保を図るよう指示しました。

     防衛省は2023年度からの5年間で防衛費単体として48兆円の予算が必要だと見積もっていますが、財務省は35兆円程度に抑えるよう求めていて、折衝を続けています。

    岸田首相


     令和9年度まで有事が発生しない保証はなく、防衛相と財務省が駆け引きをしている間に台湾有事となれば目も当てられない。喫緊の課題という割には歩みが遅い防衛費増額だが、周辺国が日本の状況を勘案し、待ってくれるわけではない。逆に日本は自国の不利な状況を周辺国に晒しているようなものなのだ。

     防衛費増額を支持した岸田氏には一定の評価が与えられるべきだが、問題はその方法論だ。「防衛費とそれを補完する取り組みを合わせ」というのは、他省庁の予算を組み入れた、いわゆる「水増し防衛費」と言われるもので、防衛費の純増ではないと言っているに等しい。2%議論が本格化して以来つきまとう財源論でも、「安定的に支える財源措置は不可欠」と言っており、「増税も念頭に財源の確保を図るよう指示」したのであれば、財務省と、財務省が仕込んだ有識者会議の受け売りとなる。防衛費増のバーターで増税を押し込もうと画策していた財務省は大喜びだろう。

     この言質は、自民党内の増税論者、緊縮財政派には格好のネタとなる。ここは自民党の政調会にひと汗もふた汗もかいてもらいたい。萩生田政調会長は、有識者会議の「幅広い税目による国民負担」に名を借りた増税論を「あれは参考文書だ。最後は政治が責任を持って決断しなければいけない」と語っている。政調は保守派の防波堤と言ってもいい。大いに暴れまくって欲しい。


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    2 Comments

    とらこ

    中共は海外標的(議員)の隙に付け込んで操る才能がある国家ですから・・・自国の政権に向かってそんな上から被せるような文言で言質をとろうとした末松議員は「あやしいやつめ類」でしょうか。日本の国会議員ならそう思われない行動をして欲しいものです。


    72年の「日中国交正常化」は田中首相の目玉政策でしたでしょうが、田中氏は「正常化」に前のめりではあっても、台湾を領有したい中共側にはたしかに<理解はするが同意する訳では無い>主旨の言葉だけは辛うじて返している様ですね。

    ところが、田中首相よりも台湾切り捨てに積極的だったのが当時の大平外相だったと、門田隆将氏の書物で分かります。
    日本国内の検討に田中首相が「日中問題の基本について協議会で話し合ってもらう」と発表しているのに、10日後その協議会の意見がまとまっても居ない段階で大平外相が「日中国交正常化は、政府が中心になって進める時機がきました。現在の台湾との外交関係をそのままにしていては、日中国交正常化は困難です。国交正常化で日中の合意が成立すれば、台湾との外交関係は、維持し得なくなると考えます」と述べていたと。
    で、この大平氏は岸田氏が拘って止まない宏池会の大先輩。

    後に天安門事件後西側世界の制裁厳しい中で天皇ご夫妻(現上皇)の訪中を決行したのも宏池会の宮沢首相です。
    現在の自民党税調会長も宏池会所属の宮沢氏。
    岸田氏はご自分を囲む宏池会環境のこうした「難しさ」を撥ね退けて、日本国の本当の長期的利益を追求する姿勢を誠実に国民に見せて戴きたいです。

    アベノミクスが成功を前にして頓挫したのは、民主党政権に依る消費税アップ立法を履行してしまったから、と言われます。
    アクセルとブレーキを同時に作動させると経済活性化目的は果たせない好例を是非とも反省材料にする必要があると思います。

    処で、円安による日本の利益は相当額だと言われますが、政府はそれを何に使用する計画なのでしょうか。
    一時金とは言え、それを防衛費に投入したら岸田政権がないかもしれない、そして台湾有事に間に合わないかもしれない5年後の構想より確かなものになるのではないか、と簡単に考えるのは間違いでしょうか。

    • 2022/12/01 (Thu) 01:19
    • REPLY

    (名前空欄)

    末松はきっと中共からカネをもらいたいんだよ。

    「ちょっとちょっと、ほら、オレ、アンタに協力するからさ、な、アンタにもありがたいだろ?な?

    でさ、ちょっとオレ、今月物入りがあってさ…」

    みたいな、悪に擦り寄ってコゼニを稼ごうとする小物っているじゃん。
    死亡フラグ立ちまくりの。

    アレだよ、アレ。

    どうせ殺されちゃうんだから、日本に害をなさないうちに死んじゃってほしいよね。

    • 2022/12/01 (Thu) 01:49
    • REPLY

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