ペロシ訪台で異次元に達する緊迫感 ~ 政治もメディアも、自由・民主主義のために戦え

岸田内閣の改造と党役員人事は、安倍総理の国葬が終わった9月末に予定されているというが、保守派が注目する高市政調会長、岸防衛相はともに外れるという噂だ。とはいえ、安倍総理亡き後、岸田氏が保守派の離反を食い止めるために、人事面である程度、保守派に配慮するであろうと思っていたが、噂の限りにおいては逆なようだ。
岸防衛相の後任に噂されるのは、現総務会長の福田達夫だそうだ。現時点では噂話に過ぎないと思うが、福田家は代々、親中派として知られる家柄だ。外務相にリン・ホウセイを持ってきて、同盟国の米国に不信感を抱かせたと思ったら、今度は防衛相に負けず劣らずの親中派を充てるとくれば、目も当てられない。この噂が現実化しないよう望むが、岸田氏自身の「安倍元総理大臣の遺志を受け継ぐ」という言葉とは逆方向に向かっているように思われる。
いまほど、官邸、外交、防衛の強さが求められる時期はない。ナンシー・ペロシ米国下院議長の訪台によって、緊迫の度合いが異次元に達する台湾海峡・東アジア情勢の当事者のひとりが我が国日本なのだ。頼みの綱であり、存在自体が最大の外交カードであった安倍総理はもういない。派閥均衡やらお友達人事などやっている暇は1秒たりともない。
ペロシ米国下院議長の訪台には様々な意見がある。評論家の江崎道朗氏はこの訪台を評し、「ペロシ個人のエゴの先走り」と手厳しい。民主党が11月の中間選挙で負けることが確実視され、ペロシが議長でいられる時間も秒読みに入ったため、米下院議長として四半世紀ぶりの訪台でレガシーづくりをしているということだ。バイデンは「米軍は今は良くないと考えている」と漏らし、暗に止めようとした。もし有事が発生すれば、準備不足の日米軍が急な対応に追われる。少なくとも、ペロシ訪台は米国の国家としての戦略的な動きではないようだ。
しかし、ペロシは訪台した。今後の外交・防衛は、すべてがこの事実を前提として進む。中共はペロシ訪台に対する心理的先制攻撃として、「ペロシが台湾に入れば軍事行動をとる」と米国を威嚇していた。キンペーはバイデンに向かって声を荒らげ、拳をデスクに叩きつけ、「火遊びをすれば必ず焼け死ぬ」と激高したそうだ。
安倍総理もご存命であれば台湾に入る予定だったはずで、同様の威嚇が日本の外務省に向けて発せられていたと思われるが、米国のようにリークがない。だが、その影響の一端と思われるものが、リン外相のコメントに出た。リン外相はペロシ議長の訪台に関し、「政府としてコメントする立場にない」と語ったのである。もしリン外相が中共の恫喝に屈し、このような当たり障りのないコメントを出したのであれば、即刻罷免に値する。
ペロシ議長は訪台の前に日本に寄り、3日に予定されていた安倍総理への追悼演説を傍聴する予定だったという。
「ペロシ氏は、凶弾に倒れた安倍氏を『民主主義の英雄』とたたえ、当初5日の臨時国会で予定されていた『国会での安倍氏の追悼演説』の傍聴を切望していた。ペロシ氏はその足で台湾に飛び、蔡英文総統に、安倍氏の『台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事だ』という言葉を伝え、米国の決意を告げる計画があった」(出典: zakzak)
安倍総理への追悼演説が延期されたことで、この重要な外交メッセージは葬り去られた。この追悼演説を潰した特定野党および自民党清話会の衛藤征士郎あたりは、事の重大さを認識していないだろう。
安倍総理の言葉通り、「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事」である。ペロシ訪台によって、メンツをつぶされたキンペーと中共、人民解放軍は、緊張を一触即発の状態まで持ってくるだろう。有事は目の前と言ってもいい。岸田首相には、外国で核不拡散の訴えをしている暇があったら、この「すぐそこにある危機」に全力で対応せよと訴えたい。
中共の報復や、軍事的恫喝は、これまで類をみないものになると思われる。この状況にあって、安倍総理がいない現実は、返す返すも痛い。メディアも、カルト宗教ばかりやっていないで、この東アジアの危機と中共の危険性を、もっと国民に伝える努力をせよと要求したい。政治もメディアも、自由・民主主義のために戦う時だ。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
当ブログはブログランキングに参加しています。ご面倒ですが、是非ともバナークリックをお願いいたします。
バナーが表示されない場合はこちらから。
人気ブログランキング | にほんブログ村 政治ブログ | FC2 ブログランキング