ルーピー化する進次郎

小泉進次郎のオヤジ、小泉純一郎元首相が、高齢を理由に、原発ゼロを訴える各地での講演会活動をやめると宣言したのは先月のこと。だが息子の進次郎は、オヤジの思いを受け継ぎ、脱炭素というイデオロギーの推進者として売り出そうとしているようだ。この人物を環境相に据えたことで、日本国民は彼が残した数々の負の遺産と付き合わざるを得なくなった。レジ袋有料化がもっとも象徴的なものだが、その背景の中心にあるのは反原発という、オヤジと共有するイデオロギーなのだろう。
その進次郎、来日したニュージーランドのアンダーソン首相との朝食を共にしたときのことをブログに記している。政策の意見交換で特に印象的だったこととして「カーボンニュートラルと自動車政策」を挙げ、こう主張している。
繰り返しますが、日本の電動車の普及の遅れは、日本の国内問題にとどまらず、世界の脱炭素の流れにブレーキをかけ、日本の産業競争力の低下、海外マーケットを失うことを意味します。
日本では、原油価格の高騰に伴うガソリン価格の上昇対策に補助金でガソリン価格を下げることが中心になっていますが、短期的には合理的だとしても、中長期で考えれば、今こそガソリン依存度を下げる経済社会への移行を加速させるための電動車普及策を大胆な投資で強化すべきです。
環境ファシストたちが聞いたら、泣いて喜ぶような言質だ。Twitter上で「国民が自分と同じくらい裕福だと勘違いしている」という意味の指摘を見たが、まさに言いえて妙。進次郎には足元が見えていない。
脱炭素というのは世界の産業の大きな流れであるから、それに乗り遅れないことは企業努力として必要だろう。しかし、足元で電力不足が起き、再生可能エネルギーの非力さを実感する環境にある中、脱炭素だけを進めるのは、国民を見殺しにすることに他ならない。EVは大量の電力を必要とする。EV普及の強化を主張するなら、その電力をどう担保していくかをセットで考える必要があるが、進次郎はそこには触れない。そして、クリーンな電力をつくる原発の再稼働に関しては沈黙することで否定する。概して「上滑り」の感が強いのだ。
進次郎はルーピー化しているように思える。理想論は発するが、現実問題への対応が疎かで、地に足がついていない。進次郎は雑誌「SPA!」のインタビュー記事で、「日本人は変わりたくない気持ちがすごく強い。誰かが嫌われ役になってでも、歯車を回さなければならない。それが政治の役割です」と語っている。上っ面は正論だが、その歯車を正しい方向に回すことが必要条件であり、妙な方向に回されてしまうと、そのとばっちりを受けるのは国民なのだ。
こんな人物を将来の総理候補とおだてるのは、もうやめてもらいたい。
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