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    核シェアリングの議論を頭ごなしに抹殺するのは、国民を排除することと同じ

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     衆議院が昨日、「ロシア軍による侵略を最も強い言葉で非難する」としたうえで、ロシアに対し即時の攻撃停止と部隊の撤収を求める決議を、賛成多数で採択した。毎度の通り、れいわは賛成しなかった。「なんだ、ロシアなら名指しできるじゃん」というのが最初の印象だが、日本の議会の意思を示すためには良い動きであることには違いない。

     今や地球規模の嫌われ者となったプーチンが、核兵器の使用も示唆する発言を行い、事態は一層混乱している。核兵器とは、北朝鮮の例でもわかる通り、持っていれば他国に蹂躙される可能性も減るが、実際に使用できないものだ。仮に使用すれば、その国の存続すら危うくなる。威嚇や恫喝には有効だが、武力としては機能しない。だが、その通念を破るような狂人が核を持てば、「使えるわけがない」という概念に疑問符が付くのだ。

    プーチン


     ただし、昨日も書いたように、日本がその武器を所有するか、もしくは他国とシェアするかという政治イシューについては、とことん議論すべきだ。安倍元総理が日曜日に「議論すべき。タブー視してはならない」と発言したら、香ばしい陣営がとたんに脊髄販社を見せている。

     まずは保守派に大人気(笑)、山口二郎大センセーだ。


     今般の状況は、山口二郎センセーらにとってはまさに悪夢だろう。憲法9条が国防面で役に立たないことが露呈し、核の使用を示唆して他国を威嚇する国がご近所にいるのだ。核シェアリングの類は、平時に議論しようと思っても無理だ。野党と左派メディアが一斉に反発し、発言の主は袋叩きに遭い、政治生命まで危うくなる。だが、今回の事案では、国民が安全保障の危機をリアルタイムに注視することになり、言葉は悪いが、「ウクライナのようにならないために、日本は何をすべきか」という具体論に発展している。プーチンの侵略と核武装には大いに関係がある。山口大センセーは、「安倍のような愚かな政治家」というレッテル貼りで議論の深まりを阻止しようとするのだが、国民は山口センセーが考えるほど愚かではない。大センセーには「愚かなのはどちら?」と問いたい。

     お次は朝日新聞だ。

     こうしたなかで安倍元首相が不見識極まりない発言をした。米国の核兵器を日本に配備し、有事に日本が使えるよう協力する「核共有」について言及し、「世界の安全がどう守られているかという現実についての議論をタブー視してはならない」などと述べた。

     戦争被爆国としての自覚と責務がみじんも感じられない。国際秩序が揺らぎ、核が拡散する未来の先に、日本を含む国際社会の平和と安全はないという現実こそを直視すべきだ。


     3月1日の社説「ロシアの威嚇 核の連鎖あおる危うさ」からの一節だが、これもひとつの現実逃避だ。そもそも戦争被爆国の自覚と責務を言うなら、核兵器保有国の自覚と責務を質すのが先だろう。そして、自前の軍事力を整備し、核保有もしくは核の傘にある国が平和を保っているという現実と対比し、そのうえで日本に足りないものは何かを検討するとき、核や集団安全保障体制は避けて通れないテーマなのだ。

     特定野党の憲法審査会と同様に、「議論すらしない」というのは、国民をつんぼ桟敷に置くことに他ならない。主権者である国民が議論を望むなら、堂々と両論を戦わせるのが国会であり、両論を対比させてどちらが国是化を問うのがメディアの役割だ。手前勝手なイデオロギーで、国民を排除する資格がないことを、メディアには問いたい。


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    11 Comments

    藤井

    少なくとも議論は必要でしょう。

    議論すらせずに「日本核武装」でも「非核三原則を今後も堅持する」でも、勝手に総理や特定の政治家が決めるのなら、それは民主主義ではなく独裁国家です。

    • 2022/03/02 (Wed) 09:18
    • REPLY

    敷島やまと

    不見識なのはお花畑のチョーニチ新聞

    チョーニチ新聞の偽善者ぶりには呆れる。
    きれいごと言っているチョーニチの阿呆どもはいざ日本が侵略されたら真っ先に逃げ出す手合いだろう。
    被爆国だから核保有は論外っていうのもおかしな理屈。
    原爆の悲惨さを知る被爆国だからこそ日本は二度と核兵器の犠牲になりたくない。だからといって抑止力としての核保有を放棄すれば核攻撃から国を守れるのか?
    左巻きは核を持てばかえって日本が核攻撃の対象になるとかアホなこと言ってるけど、ちっぽけな最貧国北朝鮮は核を持ってるから攻撃されないんじゃないの?
    日本の技術力をもってすれば早期に核保有は可能。
    だからこそ、近隣のならずものたちは不安なのだ。
    実際核保有せずとも議論するだけで立派な抑止力になり得る。
    日本が自ら他国を侵略することはない。
    しかし、理不尽な攻撃に晒され、いざとなったら伝家の宝刀を抜くぞというブラフがなければ祖国は守れない。
    力の担保のない平和主義など屁のツッパリにもならぬ。

    • 2022/03/02 (Wed) 09:23
    • REPLY

    今國 護

    侵略するのに
    「無抵抗」ほど楽はなし。
    パヨク筋が誘導したい世論がバレバレ。
    ロシア侵略に便乗するのは
    次に支那朝鮮が待ち構えている証拠。

    国際派

    日本と世界の安全保障

    安倍元首相が発言するからには、がっちりした世界情勢の判断と、世界のネットワークがあってのことであり、どこぞの化石のようなメディアの発言とは全く違う。核に最も敏感に拒絶反応を示してきた先進国の一つオーストラリアが昨年容認する方向に舵をきった。1951年からの豪米同盟の枠組みには、米軍の駐留や武器の種類に制限があったのが、全豪にあらゆる種類の兵器を展開できる、いわば戦時のマッカーサー駐留体制に戻したようである。豪州自身も原子力潜水艦の保有へむかう。狂人が核を持つ可能性に対応するには、サイバー兵器として自爆アプリを敵のシステムにしのばせるのはどうか。むこうが発射ボタンをおすと瞬時に自爆すると、二度とむかってこないだろう。核兵器とは限定せずに応用できる。

    • 2022/03/02 (Wed) 10:13
    • REPLY

    なつこ

    >威嚇や恫喝には有効だが、武力としては機能しない。
    だが、その通念を破るような狂人が核を持てば、
    「使えるわけがない」という概念に疑問符が付くのだ。

    ・「核は使わない限り、有効」と言うのが、 
     広く喧伝されていますが、
     まさに今日の記事に書かれた狂人の独裁者が
     核を持った場合の恐怖を考えることが出来ない
     山口二郎や朝日新聞がいます。

     イデオロギーか何か知りませんが、長年こびり付いた
     反日活動のあからさまな発信は、
     まともな日本人には受け入れられません。

     彼らの頭の構造は、例え、核の被弾で国民の命が
     失われようと自分たちの頭の上には
     降り注がないとでも思っているのでしょう。

     核についての議論さえさせないと喚き続けられるのも
     日本のお花畑にいるからこそと分かった上での
     卑怯な確信犯たちです。

     長年、日本国家や国民に害をまきちらしてきた
     こうした活動家の連中は、反日思想を広め、
     何時如何なる時も、日本国家や国民を危険に晒すことに
     躊躇がなく、彼らが生き延びることが
     主眼の危険人物、団体と言えます。
     
     しかしながら、中共の核搭載の弾道弾ミサイルは
     ロンドン、パリまで届く状況と今朝の虎ノ門ニュースで
     江崎道朗氏は仰います。
     すでに日本の危機、アジアの危機にとどまらず、
     NATO各国にも及ぶ地球規模の脅威だと警鐘を鳴らされて
     いました。

     そうした状況を分かった上で、
     山口二郎や朝日新聞は、邪悪なラウドスピーチを
     やり続けるのでしょうか。
     続けるでしょうね。
     まだまだ日本人は騙せるとばかりに。

    • 2022/03/02 (Wed) 10:17
    • REPLY

    ボンちゃん

    山口二郎なんてFランの基地害教授がいたら基地害が量産されてしまう。山口二郎と朝日新聞は公安の調査、監視を希望します。

    • 2022/03/02 (Wed) 15:50
    • REPLY

    k.miyamoto

    今回のウクライナ侵略はアメリカの失政によるものが大きいと考える
    侵略の可能性があると知りながらアメリカは何をしたか。
    それは、大騒ぎして自国民を慌てて引き上げた。愚策である。
    プーチンとすれば、アメリカから「アメリカ国民は引き上げて被害はありませんから、好きなようにして下さい」と言われているようなもの。
    これだけおぜん立てされて侵略しなかったら、ロシアの威信は地に堕ちる。アメリカは怯えて早々に逃げるのではなく逆に人をおくりこむべきだった。台湾で有事が起きても然り。外国人が大勢いれば侵略できないのである。

    • 2022/03/02 (Wed) 17:17
    • REPLY

    ユーカリ

    >威嚇や恫喝には有効だが、武力としては機能しない。
    その通念を破るような狂人が核を持てば、
    「使えるわけがない」という概念に疑問符が付くのだ。

    これはその通りで、現に狂人が近隣諸国にいる。
    武力としては機能しなくてもやられたらやり返すための核は必要である。
    だから狂人のいる国との「相互確証破壊」を成立させなければならない。
    黴の生えた「非核三原則」なんて言い出すやつは魯鈍である。

    • 2022/03/02 (Wed) 18:03
    • REPLY

    シバサマ1966

    今の日本は非常時?それとも平常時?

    非常時にこそ、平常時に見えない真実が見えてくる。

    本来というか、理想としては平常時に非常時に起きる問題点を想像して対策を考えるものだが、日本人には苦手なことなのでしょう。

    さて、現在の日本は平常時か非常時、どちらでしょうか?
    日本全体でゆでガエルにはなりたくない。

    私も本ブログでブダペスト合意なるものを初めて知りました。
    ゼレンスキー大統領の心中やいかに?

    日本人も日米安保条約は重要ですが、過信は禁物。

    この度の安倍元首相の核に対する提言がありました。知らない人は知って下さい。そして日本人の反応が、今後の日本の分水嶺となると思います。

    • 2022/03/02 (Wed) 21:50
    • REPLY

    ツクノ

    ○岸田総理は、非核三原則の方針を変えないようですね。かつて、勝海舟さんは、

    「人はよく方針々々といふが、方針を定めてどうするのだ。およそ天下の事は、あらかじめ測り知ることのできないものだ。(中略)おのれに執一の定見を懐き、これをもつて天下を律せんとするのは、決して王者の道でない。」
    (『氷川清話』勝海舟、江藤淳・松浦玲編、講談社、2000年、p241)

    …と語りました。「非核三原則を定めた時代とは、国際情勢が変化している。このままでよいのか、それとも変えるべきか。みなさんと改めてよく考えたいと思います。」と言ってほしかった。岸田さんがここまで頑な人だと、やはり安倍元総理や二階元幹事長に国民の期待は集まりそうですね。

    《二階俊博氏 国会議場内で起きた「連続 “迷子” 事件」…「岸田は1週間で倒せる」と息巻くも懸念される健康状態》(週刊FLASH 2022年3月15日号、ヤフーニュース)
    https://news.yahoo.co.jp/articles/432817f1198afe39fd4d54570b0707a3631b2cbf

    ○ウクライナとロシア、2回目の和平交渉が始まるようです。厳しい戦闘の中ですが、先にウクライナのほうが柔軟にならないと、交渉は難しいのかもしれません。それだけ欧米各国の制裁が、大国ロシアを逼迫させ苦しめているからです。ロシア側の条件をすべて承諾した上で、ウクライナ側の条件をプラスする形で提示する、もしくはウクライナ側としては、即時停戦即時撤退のみに絞る、その場合でも元通りの国境ではなく、クリミア併合と独立地域の独立承認については、譲歩する必要があるのかもしれません。ウクライナの非武装中立という形の場合、NATOは諦めて、フランスとの軍事同盟について、ロシアと交渉の余地を残したほうがよいのかもしれません。

    「ウクライナに栄光あれ!」

    とらこ

    世界で唯一の戦争被爆国である故に、日本は三度目四度目の原爆投下を厳重に阻止するべきだと考えます。その為には、残念ながら核を持つ検討は必要ではないでしょうか。
    現実を見据えて国防を心がけ、将来的に世界中の核廃絶を目指す国家でありたいと思います。

    二発の被爆国という唯一の哀しい経験を持つ国が、ロシア、中国、北朝鮮という核を持つヤクザな国々に囲まれて、それでも核防備を怠るのであれば、三度目は世界の嗤いの中で滅亡するしかないのでは?と思います。
    日本を預かって大事に存続・成長させて後世に繋げる義務を忘れてはご先祖様方に申し訳ないではないか。

    • 2022/03/03 (Thu) 18:53
    • REPLY

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