自公連立 ~ 寄生する側をコントロールするのは宿主の責務だ

南太平洋トンガ沖で起きた海底火山の大規模噴火で、日本の太平洋側の地域に津波警報、津波注意報が出ています。その地域に皆さまの無事を願っております。お気を付けください。
通常国会の開会を前に、政局が動いている。どの党も、国会の中身よりも、夏の参院選への対応に追われている。野党との対決法案を避ける岸田総裁と自民党執行部によって、通常国会は重要法案が先延ばしされる“すっからかん”な内容になってしまうかもしれないし、特に形勢不利な特定野党は、プレゼンスを示すために言葉で暴れる行為に出る可能性もある。
そんな中、自民党と公明党の間にもせめぎあいがあるようだ。
公明、自民推薦の見送りを検討 参院選、地方組織に伝達(共同)
公明党が夏の参院選を巡り、32の改選1人区を中心に自民党候補者への推薦見送りを検討していることが分かった。自民が改選複数区に立つ公明候補への推薦に難色を示しているのが理由で、山口那津男代表が15日、地方組織幹部とのオンライン会合で検討状況を伝達した。複数の公明関係者が15日、明らかにした。
公明が候補を擁立する複数区についても、自民側に推薦を求めない方向で調整している。自民内には、有利な選挙協力を得ようとする公明側の駆け引きだとの見方もあり、情勢を見極める構えだ。
関係者によると、山口氏は会合で、相互推薦の調整が難航していると説明した。
作家でジャーナリストの門田隆将氏は、この報道を引いて「(自民党が公明党に対し)どうぞお引き取りを、と言えばついてくるだろう。なにせ下駄の雪だから…」とツイートしている。「下駄の雪」とは言いえて妙だ。「下駄の雪」政界用語で、意味は「力ある者についていく者」だが、語彙の少ない私などはどうしても「政権寄生虫」「コバンザメ」などいう品のない言葉を使ってしまう。代表の山口那津男は、「公明党の役割を下駄に例えれば、鼻緒の役目」と反論しているが、飾りすぎだろう。いずれにせよ、公明党の実態を短く表現するには適切な四文字だ。
自公連立政権は、1999年にスタートしている。悪夢の民主党政権の3年3カ月を挟み、自公の共闘は23年目になる。もともと公明党は強い者に寄生する習性を持つ政党だ。憲法・安全保障の分野では、選挙に勝てば日米安保・自衛隊に賛成、敗ければ反対と、どっちつかずの政党だった。自民党が下野した細川連立政権では連立の一角に入り、閣僚を送り込んだ。自民党の創価学会攻撃という、今では考えられない確執を経て、小渕第2次改造内閣で連立の一角をなす。以降、ずっと自民党に寄生してきたのが公明党の実態だ。
公明党が自民党を揺さぶるのは、公明党の支持がなければ自民党は選挙に勝てないと確信しているからで、その揺さぶりをかければ自民党側から折れると思っているからだろう。確かに公明党は、先の衆院選の大阪14区のような悪意を持った投票行為の操作をやる政党だ。ただし、局部的にはそういう動員や操作は可能だとしても、全国規模になれば話は違うはずだ。
自公連立政権がスタートしたのは、自民党が選挙に弱い時期だ。1990年代は社会党とまで連立政権を組み、与党としての立場を継続したが、「政権にとどまるためには何でもあり」との批判もあった。だが、今は少し様子が違う。より自民党の保守路線に近い日本維新の会も育ってきた。国民民主党も特定野党と距離を置き、保守に近い路線を模索し始めた。単なる数合わせの連立政権は褒められたものではないが、少なくとも政策面で言えば、自民党に親和性があるのは維新、民民であって、公明ではない。
公明党は自民党に寄生し、与党であり続けることで、党を存続させている政党だ。「与党の一角」という看板がなくなれば、ただの宗教政党だ。自民党は公明党を突き放せばよいのだ。寄生するには宿主が必要だ。逆に、宿主が寄生する側にコントロールされるようなことになれば、その宿主に政治などできるわけがない。自民党は宿主として、共同歩調をとる相手を選択しなおすべき時だ。
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