自民党総裁選 ~ 最善の選択には及ばずも、最悪の選択は回避された

昨日、自民党総裁選の投票が行われ、岸田文雄新総裁が誕生した。保守派の期待を文字通り一身に背負った高市早苗候補は、残念ながら3位となり、決選投票には進めなかった。一方、下馬評では最も総裁に近いと言われていた河野太郎は、1回目の議員票でも高市氏の後塵を拝し、1回目を一位通過どころか2位に甘んじた。決選投票が行われることが決まった瞬間に、河野新総裁誕生の可能性は潰えたわけである。
■ 伸びなかった河野
河野太郎は、ドント方式で算出される地方票の169票を獲得したが、議員票はまさかの86票という少なさだった。当初は、河野と岸田が議員票120前後で競うと噂されていたので、この数字を見たときにはさすがに驚いた。告示前の出馬宣言以降、河野には追い風があったはずだ。国民の人気は常にトップクラス、各社世論調査で他の候補を常に凌駕し、ワクチン接種にかかわる行政の最前線にいたことで露出度も高かった。加えて、なんといっても後ろ盾としての二階の存在だ。だが、あったはずの票がなかった。要因はひとつしかいない。
■ 河野太郎の梯子を外した二階
結局のところ、河野太郎から逃げた票は、二階が意図的に剥がしたものだと思う。某ジャーナリストによれば、二階には国家観も政治理念もなく、あるのは「勝ち馬に乗る」という処世術のみだとのことだ。二階は岸田、高市両陣営の「協力」を目の当たりにし、勝ち目がないと判断し、土壇場で河野の梯子を外したのだろう。こんな人物を頼った河野も河野だが、処世術しか眼中にない“政治屋”二階は、もう引退すべきだ。
■ 高市氏の次に繋がる大健闘
高市氏は一回目投票の議員票で114票を獲得した。安倍前総理の電話攻勢も大きかっただろうが、実に立派な結果だ。悲しいかな、高市氏には告示日まで党員名簿がなく、地方票で出遅れた。しかし、高市氏に関しては、インターネット上での支援は群を抜いていた。党員・党友も少なからずそれを知っていたはずだが、いかんせん時間がなかったと思われる。高市氏はやはり、清和会に戻り、人脈を作るべきだろう。無派閥でもこれだけの支援を得たことを考えれば、氏にとって次に繋がる総裁選であったことは間違いない。ちなみに、投票の際に壇上に上がった際、日の丸と自民党旗にそれぞれ丁寧に礼を尽くしていたのは、候補者の中では高市氏のみだった。
■ 河野敗北の要因
河野敗北の要因は複数あるが、間違いなく言えるふたつのうちひとつは、女系天皇容認論と脱原発という持論隠しだろうと思われる。河野は総裁選でこれらが争点化されると孤立するから、持論を封印するような展開に持っていこうとした。だが、デジタルの時代では、過去の言動が即座に検索され、そして、さらされる。そのさらされた情報は、自民党のコア支持層には受け入れがたいものだったはずだ。
もうひとつは小石河連合だろう。河野、石破、進次郎という、国民受けする3人が組めば勝てると踏んだ二階は、石破の推薦人を剥がしてまで河野一本化に踏み切った。だが、彼らの薄っぺらい発言が即座に見破られ、支持は萎んだ。そして、そういう二階と組んだところが致命傷となったのだと思う。
かくして、最善の選択はされなかったが、最悪の選択は回避された。結果としては残念だが、「歩みを止めません」と敗戦の弁を述べた高市氏には、入手した党員・党友リストを有効活用し、近く安倍派となる清和会に復帰し、次の機会に備えてもらいたい。
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