自民党真の3回生が設立した「党風一新の会」という、恩を仇で返す議連

自民党の3回生以下の議員は、2012年に安倍前総理が政権奪還を成し遂げたときの衆院選で当選したという意味で「安倍チルドレン」と呼ばれる。別名、「魔の3回生」。安倍氏が起こした風と長期政権に支えられて議員を続けてきた議員が多く、地盤が弱いのが特徴で、風が止めば当選が危ういと目される議員も多いと聞く。
その自民党3回生以下で構成する議員連盟「党風一新の会」が設立され、約90名が参加を決めたという。呼びかけ人に名を連ねているのは70人で、その構成は細田派から16人、岸田派から13人、麻生派と竹下派から各10人、二階派から6人、石破派4人、石原派1人、無派閥10人だという。さまざま御託を並べているが、要するに派閥の制約を受けずに自主投票させろというのが主張らしい。会は緊急提言なるものをまとめたが、その一つに「党改革を通じた政治改革を断行し、国民政党としての信頼回復を図ること」というのがある。派閥による党の支配によって、国民の信頼を失っているという主張だ。
そして、この提言は、こういう段落から導かれている。
かつて政権の座を奪われ下野することとなったわが党は、その反省の下、党改革を実行し、 国民の信頼回復に努め、平成24年12月に3年3ヶ月ぶりに政権を奪還した。しかし、その後の安定政権が続く中で、 強引ともとられる政権運営や、 国民意識と乖離した言動や行動も散見されるなど、 「自民党はかつての反省を忘れて再び驕りが生じているのでは」 との批判も聞かれるに至った。
2012年(彼らの多くが議席を得た年)に政権を脱化するまでは党改革がうまくいき、国民の信頼を回復できていたのに、その後は「強引な政権運営」や「驕り」などによって「国民の信頼が失われ」ているということだ。要するに、安倍長期政権と後継菅政権によって、国民の信頼が失われたと言っているのと同じだ。
「党風一新の会」代表世話人の福田達夫
彼らの中には、派閥の締め付けによって、「本当に日本のリーダーとなるべき人に投票できない」事情があるため、自主投票を求める議員もいるだろう。だから、この自主投票の要求が、すべて我儘とは言えないのかもしれない。だが、一番の希望は「自分たちの議席を守るために、最も人気のある人に投票させろ」というものではないか。もしそうだとしたら、そんな議員は一回落ちろと言っておきたい。
代表世話人に就任した福田達夫は、祖父赳夫、父康夫という元首相を継ぐサラブレットと言われているそうだ。細田派に属すが、実質的な領袖である安倍前総理の高市支援には乗れないということだろう。もちろん、現在の領袖の細田氏も高市氏は推せないと言っているらしいから、細田派も一枚岩でまとまっているわけではない。だが、この福田達夫の言動には、福田赳夫が最初のオーナーであった清和会(現細田派)を、安倍氏の意のままにはさせないとの私怨が見え隠れする。提言の「強引な政権運営」や「驕り」という、名指しにこそしていないが実質的に安倍前総理を批判する文章が、その私怨を示唆している。
選挙で危ういのは、風に乗って当選させてもらったにもかかわらず、2012年以降、地元でしっかり活動してこなかった彼ら自身のツケである。会に参加すること自体はご自由に、というところだが、自分を当選させてくれた政権に批判的な立場を取る神経が、私には理解できない。
風が吹こうと吹くまいと、地元でしっかり活動してきた議員は有権者の支持を得るだろう。そうでない議員は一掃される。それはそれで、力のある自民党を形成することに必要なコストとみるべきだ。派閥に功罪の両面があることは事実だ。だが、派閥に所属することの恩恵を受けながら、一方では派閥を否定するようなことを言うなら、まずは自らが派閥と縁を切るべきではないのか。
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