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    米軍のソレイマニ“斬首作戦”が持つ「金正恩への警告」という意味

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     イラン革命防衛隊の精鋭部隊と言われるクドス部隊のソレイマニ司令官が、米国のドローンによるミサイル攻撃で殺害されて以来、米国と中東情勢が俄然、きな臭さを増している。イラン側は報復を示唆しており、米軍も使用するイラク空軍の基地や、米国大使館周辺にもミサイルが撃ち込まれた。トランプも「イランが報復するなら、イランの重要施設を含む52カ所を短時間で攻撃する」と断言し、イランの軍事顧問は「トランプが52カ所と言うなら、こちらは300カ所を攻撃する」と応酬している。

     ソレイマニ司令官の殺害には、1000km離れた場所から目標物を攻撃できる「空の暗殺者」、MQ9が使用されている。昨年10月、イスラム国最高指導者だったバグダディを殺害したのと同じ無人機である。これを使用し、いわゆる「斬首作戦」が実行されたわけだ。米国は、ソレイマニがバグダッド空港に到着し、移動を始めた瞬間を狙って正確にミサイルを撃ち込み、殺害した。ドローンに搭載された赤外線センサー類が収集した情報は、人工衛星を経て米国内の作戦本部に送られ、トランプ自身が殺害を命令したという。オサマ・ビン・ラディンに対するオペレーションはそう遠い昔ではないが、斬首の方法も進化しているのだ。

    ソレイマニ司令官
    殺害されたソレイマニ司令官


     これに震え上がる人物が、東アジアに存在する。北朝鮮の金正恩だ。米国の視線と軸足が中東に向かうのは、本来なら、金正恩にとっては歓迎すべきことだろう。しかし、斬首作戦を実行するために必要なのは、兵力でもなく、長距離砲でもない。ドローンがあれば、敵方に潜入し、情報を収集し、ピンポイントでミサイルを撃ち込む、または誘導することが可能な時代なのだ。第7艦隊はピクりとも動く必要はない。ことを起こすために、在韓米軍の増強など必要ない。むしろ国外退去が推奨されるだろう。軍事衛星を持たない南鮮軍は蚊帳の外だ。南鮮の親北派から情報が漏れる可能性も低いだろう。

    米国の斬首作戦に沈黙する北、金正恩委員長は5日間外出せず (朝鮮日報)

     北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は昨年12月31日に幕を下ろした朝鮮労働党中央委員会全員会議を最後に今なお公の席に姿を現していない。北朝鮮の複数の国営メディアは今月2日、新年を迎え金正恩氏が錦寿山太陽宮殿を参拝したと報じたが、その具体的な日時や写真、映像などは公開していない。金正恩氏は中央委員会全員会議で核とミサイルのモラトリアム(試験・発射の猶予)破棄をちらつかせ、「対米正面突破戦」を宣言した。しかしその直後に米国がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を「斬首作戦」により殺害したため、これが北朝鮮にとってかなりの心理的圧力として作用しているとの見方もある。


     トランプは、北朝鮮に対しては極めて温和な態度で外交を展開しているが、北の出方によって「適切な対処」に言及している。金正恩は、先月はじめに「クリスマスプレゼントに何を選ぶかは全的に米国の決心次第だ」と豪語し、昨年末の党中央委員会総会では、「約束に一方的に縛られる根拠はなくなった」と述べ、核・ミサイル実験の再開を示唆。「対米正面突破戦」を宣言した。威勢だけはいい、いわゆる「北朝鮮語」だが、彼に明確なプランはないだろう。米国対イラン、米国対北朝鮮の共通項は「核」だ。米軍による無人機などを使った北朝鮮偵察行動は、昨年12月だけで32回を数えたそうだ。ソレイマニに対する斬首作戦は、金正恩にとっては「我が事」なのだ。

    金正恩


     冷酷な話だが、実際に「殺害例」を見せることは、直接的に行動を起こす前の最大の武器と言えるだろう。米国は「イランを見て、我が振りを直せ」と、北にメッセージを送ったに等しい。クリスマスは過ぎたが、金正恩にとっては、「ソレイマニ斬首」がありがたくないお年玉になった。日本は米国と連携し、北に圧力をかけ続けるべきだ。北の譲歩を勝ち取るには、「力」を誇示した圧力しかない。


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    2 Comments

    とらこ

    心中如何ばかり

    トランプ大統領は北の酋長には随分甘い言葉を発しますが、経済制裁は一個も解いていないのが北酋長には随分効いている様ですね。
    世界一対北制裁で厳しいのは日本の安倍政権だそうですけど、日本国民の拉致被害者を40年以上も返そうともしないのですからそりゃ当然の事で。


    イランも米国の経済制裁を解いてくれたら核合意に復帰すると、今回の政府声明の一行にありますが、その「核合意」の緩さでトランプ大統領が合意離脱したのですから、解除は望めないでしょうね。
    イランは、最高指導者が反イスラム的と指摘した小説「悪魔の詩」を日本語に訳した筑波大の教授を殺害した疑惑が残る(時効で未解決)国ですし、その犯行はCIAに依れば「イラン革命防衛隊」の一部門が実行したのだとか。

    北の酋長父子は「核を放棄したら即殺される」恐怖感を、中東の過去実績を見て米国に抱いてきた、とも言われます。なので絶対手放さない(だろう)と、多くの人が観察するのですが、イラクでの今回の殺害は昨年末のイラクの基地が攻撃されて米国民間人が死亡した事への、トランプ氏の決断。
    となれば、
    正恩は米国学生を拉致した挙句に植物状態で返しその後死亡した件の始末をきっちり取らせられるのではないかしら?
    その学生さんは一説にはユダヤ系だとか。対米だけではなく、更に困難な関係組織を引き込んじゃったのかも知れませんね。

    新年早々世の中物騒なことばかり。
    それでも日本の国会は未だサクラの下で「宴会」かしら。IRは下手すると中共企業に話が及ぶでしょうから、親中野党は手ぐすね引く恰好だけで終わるかも?

    • 2020/01/07 (Tue) 18:42
    • REPLY

    ツクノ

    >イラン革命防衛隊の精鋭部隊と言われるクドス部隊のソレイマニ司令官が、米国のドローンによるミサイル攻撃で殺害されて以来、米国と中東情勢が俄然、きな臭さを増している。

    ○イランの方達の、自国の英雄を悼む気持ちは、わかる気がいたします。しかし、ソレイマニさん自身は、何を望み、どのような戦略を考えて、戦っていたのだろうか。イランの人々の暮らす祖国が、自らの仇討ちでアメリカとの全面戦争の戦地となり、荒廃することを望んでいたのだろうか。

    ○イラン革命防衛隊は、高杉晋作の奇兵隊のように、民兵組織を中心とした軍隊だと思います。イラン革命防衛隊の守るべきは、祖国とイラン人。ソレイマニ司令官は、そう考えていたのではないでしょうか。

    ○アメリカのトランプ大統領は、米兵の危険は望まないと思います。アメリカとイランは、外交をすべきであり、戦争は回避すべきだと思います。

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