対話派は「対話しろ」と叫ぶだけで、具体的アプローチを提示できない

安倍総理がインドを訪問している。訪印は通算4度目となるが、この歓迎ぶりが凄まじい。モディ首相が用意したのは花束に囲まれた特別車両で、それに乗って9kmの歓迎パレードと来た。9kmといえば、東京駅丸の内口から徒歩ルートで新宿を遥かに超える距離だ。(新宿までは約7km) 沿道には数え切れないほどの市民が押し寄せたそうで、現地メディアは、モディ首相の出身地であるアーメダバードに招かれ、パレードも開かれた外国の首脳は安倍総理が初めてだと報じている。
日本とインドは、対中共という点で価値観を共にしている。もともとインドは親日的な国だが、利害が一致すれば関係は更に密になる。インドはもともと味方だが、中共という軸を考慮すれば、「敵の敵は味方」という方程式が両国の関係にいっそうの厚みを持たせる。恐らく、中共は苦虫を噛み潰したような表情で、この厚遇ぶりを見ているだろう。
日印首脳会談でも、北朝鮮情勢のことが話し合われた。総理はモディ首相との会談後の会見で、「北朝鮮に対し日印は断固たる対応を取る。安保理決議をしっかりと履行し、北朝鮮に政策を変えさせることを世界に訴えることで一致した」と強調した。武力による威嚇すら憲法違反になる日本にとって、外交で北の外堀を埋めるのは必須だ。北が国連決議を完全に履行して初めて会話のドアが開かれるというのは、国際常識だ。日本国内の、バカに一つ覚えの「対話」要求は、この常識から完全に逸脱する。
北との対話を強調する傾向がサヨクジャーナリズムに多いが、その筆頭が田原総一朗だ。田原は昨日のブログ「トランプ大統領のやり方で、北朝鮮との戦争は避けられるか?」でこう書いている。
へたをすると、日本も巻き込まれる大戦争が起きる危険性がある、と僕は危惧している。今の状況を見るかぎり、その可能性を否定することは、とても残念なことに、けっしてできないのだ。
僕は今、ずっと考え続けている。この惨事が現実にならないようにするには、どんな方法があるのだろうか、と。僕は、戦争はもう二度といやなのだ。戦争を避けるために、ぎりぎりまで対話をし、交渉をし、あらゆる手段を講じるべきだ。
8月30日、トランプ大統領は、ツイッターで北朝鮮に対して、「対話は解決策ではない」と言い放った。
北朝鮮との対話を拒んで、アメリカはいったいどうしようというのか。ほんとうに、このまま戦争になってしまうのか。いや、戦争は絶対に避けなければならない。では、どうしたらいいのか。
トランプ大統領の思惑がつかめなくて、どの国の首脳も困惑しているようだ。しかし、時間がかかればかかるほど、最悪のケースである武力行使がリアリティーを帯びてくる。
これが、日本のジャーナリズムをリードしてきた人物のブログだ。ここで田原が言っていることは、「戦争は嫌だ」ということ一点のみだ。中身が全くない。一般ブロガーでももう少し具体的で、マシな見解を提示するだろう。
もっとも、田原の場合、対話を要求する上で屁理屈を交えないだけ、まだマシだと言えるかもしれない。いずれにせよ、対話を求めるサヨクの側に共通するのは、対話を通していかに金正恩を屈服させるかというシナリオを一切示さないことだ。狂豚は、外圧には一切屈しないと公言している。「ソウルを火の海にする」、「取るに足らない日本列島の4つの島を核爆弾で海中に沈めるべきだ」と、威嚇する。武力行使と対話は、ともに国際問題解決の手段だが、武力行使派が具体的なシナリオに言及する一方で、対話派は対話を求めるものの、その中身については口をつぐむのだ。
そもそも、戦争に巻き込まれるというい発想が間違っている。北が我が国に「核を撃ち込む」と言っている時点で、好むと好まざるとにかかわらず、我が国は当事国なのだ。田原は「戦争はいやだ」と叫んでいるが、嫌だと叫んでも、戦争を回避できるわけではない。戦争を回避する方法は、我が国が北朝鮮と武力の均衡をはかることひとつしかない。
対話も武力行使も、手段であって目的ではない。目的は朝鮮半島の非核化とされるべきだが、武力行使派の手段は、言うことをきかない狂豚を力で屈服せしめるアプローチだ。一方で対話派は、対話が手段ではなく目的化しているように感ずる。対話という手段によって狂豚を説得し得る、具体的かつ説得力のあるアプローチを提示できないのだ。
田原もいい加減、晩節を汚しまくる前に、引退を決意されては如何か。
と書いたところで、北朝鮮が再びミサイルを発射した。さあ対話派よ、どうやってこの事態を収束させるのか、そろそろ具体的に提示せよ。
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