北の暴挙 ~ 小学生の読書感想文以下の社説を掲載する朝日新聞のお粗末さ

一昨日早朝、北朝鮮が再び4発の弾道ミサイルを日本海に向けて発射し、うち3発は日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下し、残りの1発もその付近に落ちた。金正男がクアラルンプールで殺害された事件は、北朝鮮当局の指示による犯行が濃厚だ。マレーシアが北朝鮮大使を国外追放し、北もマレーシア大使を退去させるという報復に出て、両国の国交は断絶状態になった。
とりわけ、日本のEEZ内にミサイルを落とすという点において、日本はこの事案の当事国である。北朝鮮によって、国民の生命と財産が脅かされる事態が着々と進行しているわけで、国会で森友学園の事案など審議している余裕などないはずだ。
主要各紙は、7日の朝刊で、一斉に北朝鮮を批判する社説を掲載している。しかし、その批判にはかなりの温度差があり、新聞によっては「批判を掲載するというエクスキューズ」でしかないものもある。
読売は、「北ミサイル脅威 日米韓の協調で抑止力高めよ」という社説で、「日米韓3か国が緊密な連携を維持し、抑止力を高めることが欠かせない」とし、「多数のミサイルで同時に攻撃された場合、すべてを打ち落とすのは容易ではない」から「弾道ミサイルへの対処能力を拡充させる取り組みが重要だ」と説いた。産経はより踏み込み、「弾道ミサイル防衛の強化を進めるのと並行して、敵基地攻撃能力の保有が必要だ。安倍首相が決断し、自衛隊への巡航ミサイルなどの導入を進めてほしい」と具体的な提案をしている。
この両紙と全くトーンが違うのが、朝日と毎日だ。毎日は「日米韓の連携を強め、中国とも協力を進める契機とすべきだ」と書いているが、こんなセリフは中学生レベルでも書ける内容だ。笑ってしまうのは朝日の社説である。朝日は「北朝鮮の挑発 暴挙の連続が招く孤立」という社説を掲載しているが、その内容がお粗末極まりないのだ。少々長いが、良いサンプルなので全文を転載する。
北朝鮮の挑発 暴挙の連続が招く孤立 (朝日新聞社説)
きのうの早朝、北朝鮮西岸から、4発の弾道ミサイルが日本海に向けて発射された。
3発は日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下し、残りの1発もその付近に落ちた。
予告もない暴挙である。船舶などに被害はなかったが、危険極まりない行為であり、絶対に容認できない。
国際社会が核・ミサイル開発に強い反対の意を唱えているにもかかわらず、北朝鮮は挑発行動をやめようとしない。
北朝鮮メディアは、自衛のための発射は不法ではないなどと身勝手な主張を繰り返したが、今回も国連安保理決議に対する明白な違反である。
行動の背景には、ことしも始まった大規模な米韓合同軍事演習への反発があるのだろう。
トランプ米政権は、オバマ前政権が北朝鮮にとった「戦略的忍耐」の政策を変える方針とされる。北朝鮮は、米本土を脅かすミサイルの開発を急ぐが、本音では対米関係の改善を望んでおり、真っ向から対決姿勢をとることにためらいがにじむ。
中距離の射程にとどめているのはそのためとみられるが、核・ミサイル開発を続ける限り、米国との対話は遠のくばかりだということを悟るべきだ。
中国の国会にあたる全国人民代表大会が開かれているさなかに発射したことも注目される。北朝鮮は昨年9月にも、北京で主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開催中に、中距離弾道ミサイル3発を日本のEEZに落下させた。
北朝鮮経済を支える中国は、日米韓から北朝鮮への制裁履行を迫られている。中国商務省は先月、北朝鮮産の石炭の輸入を年末まで止めると発表した。
そうした中国の動きに対しても北朝鮮は反発を募らせ、危うい行動を続けているようだ。
だが、北朝鮮が自身の姿勢を改めない限り、中国の国内でも北朝鮮を突き放せという声が強まるのは自然の流れだろう。
最高指導者、金正恩(キムジョンウン)委員長の異母兄がクアラルンプール空港で殺害された事件では、相互にビザなし渡航を認めていたほどの友好国、マレーシアとの関係も急速に悪化している。
北朝鮮側は現地警察の捜査に応じないばかりか、激しい捜査批判を続けている。そのため、マレーシア政府は北朝鮮大使を国外退去処分にした。異常な振るまいへの当然の対応だ。
国際社会からの制裁には慣れている、と公言してきた北朝鮮だが、包囲網は一歩ずつ狭まっている。すべては北朝鮮自らが招いた孤立と苦境である。
要約して箇条書きにすると、概ねこうなる。
- 予告もない暴挙だ。船舶などに被害が出る。危険じゃないか。
- 北は身勝手だ。国連安保理決議に対する明白な違反だ。
- 中国も、石炭の輸入を年末まで止めると発表したじゃないか。
- このままでは中国に見放される。
- 包囲網は狭まっている。すべては北が自らが招いた孤立と苦境だ。
これがすべてである。
ズバリ言おう。朝日新聞の社説は、事象を時系列に並べただけなのだ。この長文のどこにも、具体的な意見の表明はない。「このままでは孤立するぞ」という部分は、朝日新聞のオリジナルの意見ではなく、既に語り尽された見方だ。
北の暴挙に対する意見表明とは、この事象を受け、日本はどう対応すべきかという点に集約される。国連安保理に働きかけることなど当たり前で、日米韓の連携を強めることも、国際社会との連携という意味では特別な見解ではない。メディアが語るべきなのは、政府は国民の生命と財産をいかに守るかという具体的な策ではないのか。今どき、小学生の読書感想文でも、自分なりの解釈や意見を交えたものを書く。朝日の社説は、それ以下だ。
恐らく、朝日新聞は悟っている。朝日が好きな「話し合い」と言っても、長らく北の後見人である中共でさえ一度の会談も持たない状況で、実現性はほぼない。かといって、敵基地先制攻撃など、朝日の社論では許されない。この社説は、具体的な意見表明ができない朝日のエクスキューズと見るべきだろう。
今日も朝日の社説は森友学園だ。国家の危機に社論さえ展開できず、政府批判だけにはモチベーションをあげるようなメディアに、果たして存在価値があるのだろうか。
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