三流芝居的会見を開いた植村隆の逃亡先

腐っても元記者ということだろうか。昨日、日本外国特派員協会で開かれた“慰安婦伝説捏造記者”である植村隆の会見には、予め「弾圧に晒される男」、「悲劇のヒーロー」を作り出すような、意図的に仕立てたストーリーが用意されていた。
植村は冒頭で、フランスにおけるテロで犠牲になったジャーナリスト12人の悲劇を持ち出し、次に、1987年の朝日新聞襲撃事件で犠牲になった元朝日新聞の同僚記者の話を続けた。そして、自身が勤務する北星学園に対する嫌がらせや脅迫の件で話を繋ぎ、フランス人記者は朝日新聞襲撃事件の犠牲者と自分を同列に並べることで、言論や表現の自由を奪われた植村隆という弱者、端的に言えば「言論弾圧と闘う男」を演出したのである。

日本外国特派員協会で会見する捏造記者
いくらなんでも演出が過ぎるだろうとツッコんでみたところで、この会見を見て、もしくは報道に触れ、植村の演出に載ってしまう情報弱者は少なくないと思われる。ただ、慰安婦捏造報道の歴史を追ってきた者にとっては、この三流芝居は安すぎた。
植村は昨日、「慰安婦記事を捏造した」などとの指摘で名誉を傷つけられたとして、文藝春秋と東京基督教大学の西岡力教授を相手取って、計1650万円の損害賠償を東京地裁に起こした。このアクションは、私には少々奇異に感じられる。まず、西岡力氏は、植村の記事を捏造だと指摘する識者のうちの「ほんの一人」であり、学識者、ジャーナリスト、一般人を含めた場合、捏造批判は数多の者が既に指摘済みだ。しかも、西岡氏の論文が掲載された文春は、約1年前の昨年の2月6日号である。つまみ食いするには、タイミングとしておかしい。
植村の代理人である神原元弁護士は、「これから170人の代理人が、(植村氏を捏造記者と呼んだ)その他の人々も順次訴えていく」と、今後の裁判戦術を明らかにした。「西岡氏ひとりではないぞ」という脅しなのだろう。ちなみにこの神原元という弁護士は、ツイッターで有田芳生、しばき隊でお馴染の伊藤大介、チンピラを思わせ言葉遣いで有名な東京新聞記者の佐藤圭、辛淑玉などの呟きを好んでりツイートする御仁。一般人を「お前」呼ばわりするような、喧嘩腰の言葉遣いが目立つ、大変品性のない法曹だ。
「植村の記事=捏造」という主張は、昨年の文春/西岡氏が初めて発したものではなく、「定説」である。つまみ食いされた昨年の文春は、見せしめのための材料なのだろう。私見であり、多少うがった見方かもしれないが、植村は同時に、国会招致の回避のために訴訟を起こしたという可能性も否定できない。植村を国会に招致せよという要求に対し、「裁判で争っているので」という理由を付けて抵抗するためだ。それは、小沢一郎が、陸山会等の政治資金疑惑で国会参考人招致を要求された際に並べた「逃げの理由」だった。
本来、大学への脅迫と、週刊誌の報道は別である。週刊誌が何らかの社会現象を煽るという性質を持っているとするなら、同様に社会現象を“意図的に”先導し続けてきた朝日新聞や朝日の記者の責任は、それ以上に重いはずだ。植村は自身の立場を、日本を貶める加害者から、脅迫や弾圧を受ける被害者に転換させようと試みた。そして、言論対言論という同じ土俵ではなく、彼や朝日が嫌う「国家による言論への介入」を、都合が悪くなった自分らに自ら適用した。これも一種のダブスタだ。
自らを「愛国者」と語る植村隆は、決して被害者ではなく、日本と日本人の名誉を貶めた加害者である。名誉棄損を主張するなら、その主張の正当性を、先ず読者・国民の前で言論によって証明すべきであり、それをせずして法廷に逃げ込むという手段は明らかに邪道だ。170人の代理人が言葉狩りを始めるなら、被告は膨大な数になるはずだ。そもそも単なる脅しなのか、本当にやるつもりなのかは不明だが、その行為自体が言論弾圧の可能性を帯びるということを、自覚しながらやってもらいたいものだ。
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