元外務官僚、天木直人という芸者

一昨日の東京ドーム。長嶋さんと松井さんの国民栄誉賞の授与式を感慨深く見た。ONで育った自分としては、「4番 サード 長嶋」という場内アナウンスだけでウルっと来たし、長嶋さんと王さんのハグの場面には、思わず感涙してしまった。松井さんのスピーチも、謙虚さが表れる素晴らしいものだった。
しかしなぁ、ジャイアンツ…。どうして松井さんと1日だけでも契約して、ジャイアンツのユニフォームで引退試合をさせてあげなかったのだろう。この球団にとって、成績、観客動員など、様々な面で彼の貢献度は秀でたものだった。そのくらいの配慮はして然るべきだったのではないのだろうか。まぁ、オファーはしていて、松井さんが固辞したのかもしれないが…。
このセレモニーには、当然ながら賞を授与する側の安倍首相が参加した。長嶋さんと松井さんからプレゼントされたユニフォームの背番号が96番。安倍首相が第96代内閣総理大臣であると知らない人がいたなら、結構な政治音痴だと思うのだが、昨今の憲法改正議論がなせる業か、憲法96条改正と結び付ける人は多かったようだ。それを煽るのがマスコミだ。
「96代目にちなんだ?96条改正アピール?」(毎日)
「改憲を意識?」(日経)
「首相意味深 背番号『96』」(産経)
政権側もこういった邪推が紙面を賑わすことは計算ずくだっただろうし、ある種の確信犯であるのかもしれない。憲法問題に関する国民的議論を喚起する意図がある場合、この背番号96番をマスコミが取り上げれば、少なくとも話題にはなる。まぁ、肯定的に捉えるメディアが少ないことが織り込み済みだった場合の話だが。

メディアとは別に、ここに一人の典型的な莫迦がいる。
国民栄誉賞授与式のバカ騒ぎ報道でも一つぐらい役に立つことがある/天木 直人
いくら連休でニュースが無いといっても国民栄誉賞授与式ばかりをこれほど大きく報道するのはおかしいだろう。
しかも読売グループの宣伝の片棒をライバルメディアが一斉に担いでいる滑稽さだ。
しかしそんな国民栄誉賞授与式のバカ騒ぎ報道でも一つぐらい意味のある報道がある。
それは背番号96をつけてパフォーマンスに参加した安倍首相が、96代の首相である私が憲法96条の改正をやるんです、といわんばかりの笑みを浮かべたことだ。
それをきょうの各紙が一斉に書いている。
調子に乗りすぎて思わず本音を漏らしたのだろう。
だからあれほど憲法96条改正を急ぐはずだ。こだわるはずだ。
憲法の内容もその歴史的意味合いもほとんどわかっていないような安倍首相が96代の首相であるうちに自分の手で96条改正をやってみたいという。
そんな底の浅い動機がわかっただけでも収穫だ。
安倍首相にだけは96条改憲をさせてはいけないということである(了)
Yahooは、こんな言論人とも言えない輩の文章を掲載するのを止めたらどうだろう。私の記事がBLOGOSに掲載されている頃から天木氏のエントリーは頻繁に読んでいるが、生意気を承知で申し上げれば、氏のブログを読むたびに感じたのは、こんな低俗な文章を書く人物が、過去に国益を代表すべき外務官僚であったことに対する、眩暈にも似た感覚だ。おまけに京大卒というから、これにも卒倒しそうになる。兎に角、底が浅い。天木氏は安倍首相のことを「底が浅い」と揶揄しているが、本当に底が浅いのは天木氏のほうだ。
天木氏は3日のエントリーでもこう書いている。
きょう5月3日は憲法記念日だ。だからきょうの各紙は憲法改正についての記事で溢れている。
そんな中で私が笑ったのは読売新聞の「改正論議の高まりを生かしたい」という社説だ。その社説はこういう書き出しで始まっている。「安倍政権下の国会では憲法改正をめぐる論議がいつになく活発だ・・・」。 こう書けば憲法改正問題は国民の関心が高い一大政治問題であるかのようだ。冗談じゃない。憲法改正についてはしゃいだのは安倍首相だ。それにつられて、国会議員が憲法改正を参院選や政界再編がらみで騒いでいるだけだ。国民にとっていまどき憲法改正などどうでもいい話だ。そんな事より、早く景気をよくしろ、賃金を上げろ、税金を安くしろ、国会議員は税金泥棒をやめろ、だ。
憲法改正にうつつを抜かすような国会議員は全員不要だ、落選させろ、である(了)。
ちょっと痛々し過ぎやしないか、天木さん。言っていることが活動家ではないか。社民党か共産党にでも入党したら如何だろうか。

憲法は立派な政治イシューであり、立法府に属する者にとって、憲法を議論することは義務と言っても過言ではない。それを「うつつ」というならば、立法府の意味を成さない。天木氏は9条ネットから国政選挙に出馬するほどの護憲派であり、憲法議論が活発になることに対し、危機感を募らせているのだろう。氏が卑怯なのは、議論の上で真っ向勝負をすることなく、議論を抹殺せよと主張していることだ。サヨクは権利とか自由とかを頻繁に主張するが、議論することも否定するなら、立派なダブルスタンダードである。
こういう人物が立派に言論を張っている現下の日本は、やはりどこか狂っている。
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